3密を回避、レジャー市場のDX 都市に新しいアウトドア空間
コロナ禍による自粛が解除され、屋外のアウトドア空間を求めるニーズは高まっている。しかし、公園や河川敷、海などは基本的に集客のコントロールが難しく、「3密」を防ぐための仕組みづくりが課題だ。こうしたレジャー市場にITを持ち込み、事業を拡大しているのがデジサーフだ。
都市のデッドスペースを収益化
デジサーフの高橋佳伸社長はITエンジニアとして活躍した後、独立して1993年に前身となる会社を設立。自身がサーフィンやスノーボードの競技者だったこともあり、サーファーのための波情報サイトやスキー場で行われるイベントのエントリーサイトなどを展開してきた。そして、2009年にBBQ場の予約システムを開始した。
「公園や河川敷にBBQ場がありますが、ほとんどがアナログで管理されていて、お客さんは野放し。予約も電話で受け付けていて、手間がかかるので、それをシステム化したいという相談がありました。それで、BBQ場のウェブ予約システムをつくったんです」
デジサーフのBBQ場予約システムは好評を得たが、それはニッチ市場であり、ウェブからの手数料収入だけで大きな成長を見込むのは難しい。そのため、高橋社長はリアルの領域にも進出することを決断。2011年から自社でBBQ場運営をスタートした。高橋社長が目を付けたのは、「都市型」のBBQだ。
「都市公園の中にBBQ場をオープンしたほか、商業施設の屋上にBBQ場を展開しました。例えば商業施設であれば、BBQ場の利用者が他のフロアに立ち寄って食材を買うなど、回遊効果を期待できます。BBQを集客ツールにして賑わいを創出し、都市のデッドスペースを収益化してきました」
デジサーフはBBQ場予約サイトを運営しているため、そこで見込客となるユーザーを集め、リアルへの送客や予約の分散などをコントロールして安全な運営管理ができる。
「レジャー市場において、リアルとITを絡めたビジネスを展開している企業は他にありません。リアルの施設運営は投資負担が重くなりますが、先行者利益を得るために、一気にBBQ市場を押さえようと攻めの戦略を続けました。資金繰りが非常に苦しくなった時期もありましたが、2011年から5年で約20倍の成長を遂げることができました」
コロナ後の成長へ、
コト消費のニーズに応える
現在、デジサーフが運営しているBBQ場は約50施設。立地は都心の公園や芝生広場、河川敷や海岸、百貨店の屋上や郊外の大型商業施設などが中心だ。
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