100万人が訪れる「オガール」の現在地 まちづくりに成功はない

岩手県紫波町は国の補助金に頼らない公民連携の「オガールプロジェクト」で注目を集め、年間約100万人が訪れるまちになった。プロジェクトでは採算性や効率化だけでなく、循環型社会の構築に向けた様々な工夫が取り入れられている。

岡崎氏のおすすめは、エリア中央に位置するオガール広場。芝生を敷いた憩いの空間だ

町有地活用した公民連携事業

岩手県盛岡市と花巻市の間に位置する人口約3万300人の紫波町は、国の補助金に頼らない公民連携の「オガールプロジェクト」で注目されてきた。「オガール」という名前は「成長する」という意味の方言「おがる」と、フランス語で駅を意味する「Gare(ガール)」を組み合わせた造語だ。このエリアを出発点に、町が持続的に成長していくことへの願いが込められている。

紫波町では1998年3月にJR紫波中央駅が開業し、町は再開発に向けて駅前の10.7haの土地を28億5000万円で取得した。しかし、その後は町の税収が減ったことから再開発事業は頓挫した。そして、この土地は降雪時の雪捨て場として使われるようになり、「日本一高い雪捨て場」ともいわれた。

この状況を打破するため、2009年に、オガール代表取締役社長の岡崎正信氏が中心となり、オガールプロジェクトが立ち上げられた。東京の大学を卒業後、地域振興整備公団に勤務し、建設省都市局都市政策課に出向した経験もある岡崎氏は当時、町内にある実家の建設会社に戻って仕事を始めていた。

「当時は建設業が大不況で、建設会社として生き延びるには、新しい事業が必要だと考えました。その変化のきっかけとして、町有地を活用した公民連携事業を企画しました。建築業は地元に活気がなければ仕事ができない。自分の生活や会社、社員のために、まずは町を元気にする必要があったのです」。

岡崎 正信 オガール代表取締役社長

と、岡崎氏はプロジェクトが始まった頃の状況を振り返る。2009年2月には「紫波町公民連携基本計画」が策定され、同年6月に官民連携によるまちづくり会社「オガール紫波」が設立された。

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