2020年5月号
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変革への挑戦

中部国際空港 トヨタ出身社長の挑戦、4つのSで実行力ある組織に

犬塚 力(中部国際空港 代表取締役社長)

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2019年6月、中部国際空港の新社長にトヨタ自動車出身の犬塚力氏が就任。同年9月にはLCCをターゲットにした第2ターミナルが開業、そして今年2月には開港15周年を迎えた。さらなる利便性や機能性の向上、CS向上により国際競争力強化を目指している。

犬塚 力(中部国際空港 代表取締役社長)

リスクを乗り越え成長路線へ

「中部地域に新国際空港を」という議論が出てきたのは、いまから半世紀前に遡る。観光資源にも恵まれ、ものづくりの分野では世界を牽引するエリアだけに、交通・物流インフラの強化は地元の悲願であった。そして、2000年から着工が始まった中部国際空港(愛称・セントレア)は、『愛・地球博』の開催にタイミングを合わせる形で2005年2月に開港し、同年には航空旅客数1,235万人を記録し地域経済をけん引する中部圏のゲートウェイ空港として好スタートを切った。

「ところが2008年頃から、リーマンショック、東日本大震災、日本航空(JAL)の経営破綻などが立て続けに起きて苦しい時代を迎えました。一時は旅客数が年間900万人を下回るまでに落ち込みましたが、国を挙げてのインバウンド施策が本格化したことで新たな需要の掘り起こしが進み、中部地域と連携したPRに力を入れた効果も相まって成長路線に乗れました」と犬塚氏。直近5年間は国際線、国内線ともに航空旅客数を伸ばし、2018年度に1,236万人と過去最高を記録したタイミングで経営のバトンを引き継いだ。

空港の全景。第2ターミナルが開業し、国際拠点空港として着実に発展

機能性と娯楽性の共存が高評価

躍進の背景には、世界的な潮流としてLCCの利用が順調に伸びたこともあるが、「使い勝手が良い」「飛行機に乗らない人も楽しめるエンタメ性」といった他の空港にはない魅力と、両者の基盤となる顧客満足度(CS)向上への努力が挙げられる。

英国の航空業界専門格付会社SKYTRAX社が実施する国際空港評価」の「Regional Airport」部門において5年連続で1位を獲得。また、同社により3年連続で世界最高水準である「5スターエアポート」の格付け評価を得た。

「接客の質を評価されたことは、グループ内で脈々と引き継がれてきた“カイゼン”文化の表れだと嬉しく思います。ただ15年経ったいま、開港当初のレガシーやスタッフのCSマインドに頼り過ぎてはいけないとの思いもあり、ハード・ソフトの両面で更なるレベルアップを急がねばなりません」

そこで開港15周年の節目に先駆けて行われたのが大規模な新規施設整備だ。2018年10月に始動した「フライト・オブ・ドリームズ」は、ボーイング787ドリームライナーの実機展示を目玉にフードコートを併設した飛行機テーマパークとして新たな賑わいを創出。さらに、2019年9月にはLCCのビジネスモデルに沿った第2ターミナルが完成し、自動手荷物預け機や保安検査場のスマートレーンなど最新の機器を導入することで省力化を図りながらファストトラベル、スマートセキュリティを実現させた。また、2019年8月に開業した愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」とも直結しており、ビジネス拠点としての利便性が一段と高まった。

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