佐賀大発のブランド野菜バラフで 利益を出す農業モデルを実現

砂漠の植物アイスプラントを研究し、野菜としての栽培を成功させた佐賀大学。「バラフ」の商標名は佐賀大学が所有しており、葉を覆う水滴のような粒の美しさと自然の塩味が特徴だ。農研堂は、大学発ベンチャーとしてその事業化を行い、新しい農業経営の形を世に示している。

永原 辰哉(農研堂 代表取締役)

佐賀県神埼市に本社を置く農研堂が栽培と販売を手掛けるブランド野菜「バラフ」は、アフリカなどを原産地とするアイスプラントという名前の植物である。佐賀大学で研究が始まったのは1999年。これを商品化し販売を行うため、2007年に設立されたのが農研堂だ。農研堂はバラフの商標使用料を佐賀大学に支払い、大学は研究成果を収入につなげることに成功した。

これまで、日本各地で多くの大学発ベンチャー企業が設立されてきたが、実績を残している企業はまだ少ない。「当社は、設立以来安定した経営を続けている大学発ベンチャーの1つです」と、代表の永原辰哉氏は胸を張る。同社のバラフは、11月から6月末までの収穫期間中は週6日、顧客に向けて毎日出荷している。

バラフは環境を一定に保った栽培用ハウスの中で養液栽培している

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