ブロックチェーンで「ありがとう」を記録 信頼評価の新システム

フィンテック企業BANQが開発したthx!は、ブロックチェーンに「ありがとう」を記録するアプリ。感謝のトークンを軸に、店舗と顧客や従業員同士の関係を良好に維持することを目指す。流動化・多様化する社会の中で、信頼評価のプラットフォームを構築する。

髙橋 宗貴(BANQ 代表取締役CEO)

人が一生で言ったり言われたりした「ありがとう」を集計すると、何回くらいになるのだろうか。「ありがとう」と感謝の気持ちを表現することが、相手にポジティブな影響を与えることはもちろんのこと、「ありがとう」にはまた、文脈により様々な意味や重みづけがあることは、多くの人が経験から学んでいる。

フィンテックスタートアップのBANQ(東京都千代田区)は、2019年10月にシンガポールbit3x Technologies社を子会社化し、ブロックチェーン事業に参入。スマホで「ありがとう」をやり取りし、その意味付けを含めスコアリングするアプリ「thx!」の提供を開始した。実はbit3x社も、BANQ代表取締役CEOの髙橋宗貴氏が立ち上げた企業。ブロックチェーン事業の開始にあたり、それまで求人情報サイトの運営企業であるディップの傘下にあったBANQをマネジメント・バイアウト(MBO)し、体制を整えた。11月には、フィットネスジム「JOYFIT」を運営するウェルネスフロンティア(東京都墨田区)との業務提携を決めたところだ。

ブロックチェーンで感謝を伝える

髙橋氏は、マンツーマン英会話教室運営企業のGABAの副社長を経て、海外でベンチャー投資を手掛けた後、2015年10月にBANQを起業した。BANQがまず立ち上げた事業は、企業が従業員に給与を日払いできるようにするサービス「ほぼ日払い君」「給料サプリ」だ。

「企業と働く人の関係の対等化が進む中で、給与を受け取るタイミングを働いている人が選べるようにすることが狙いでした」と髙橋氏はいう。

同社の新事業となるthx!は、ブロックチェーンを利用したトークンエコノミーのプラットフォーム。ユーザー同士が「ありがとう」をやり取りすると、thx!マイルという独自トークンが送受信される。利用当初は一定のトークンが付与され、ユーザーの行動により増減する。

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