2019年12月号
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医療分野の事業構想

睡眠障害治療アプリのサスメド デジタル化で持続的な医療を

上野 太郎(サスメド 代表取締役)

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少子高齢化による社会構造の変化や薬剤費の高騰などにより、危ぶまれる日本の医療の持続可能性。サスメドでは、「デジタル・メディシン」によりサステイナブルな医療を目指す。不眠症治療アプリを開発するとともに、改ざん不能なデータに基づく臨床開発のしくみを模索している。

上野 太郎(サスメド 代表取締役(医師・医学博士))

睡眠医学を専門とし、サスメドを起業した医師の上野太郎氏。日本は、対GDPでみたとき、睡眠障害による経済損失が非常に大きく、3.5兆円に上るというデータがある。

「生産性、またQOL(Quality of Life:生活の質)を上げるためにも、睡眠障害を減らしていくべきですが、世界的にみて日本は薬物療法に偏った診療を行っています。処方量が過剰な状況は問題だと考えています」。

不眠症などの睡眠障害に対しては、カウンセリングにより改善を目指す〈認知行動療法〉が有効とされている。それでも、現場の治療が薬物療法に偏っているのは、認知行動療法には手間がかかるためだ。1人の患者に30分かけて認知行動療法をすることと、短時間で診療して睡眠薬を処方し、10倍の数の患者を診る方では後者に医療経営的なメリットがある。

「現状、薬剤の処方なしに時間をかけて1人の患者さんを診るための報酬設計がなされていません。そのため認知行動療法などの手法がなかなか普及せず、睡眠薬の処方が多いのです」。

こうした課題は現場で睡眠診療にあたる医療者の多くが理解していることでもある。そして報酬制度の以外のもうひとつのハードルが医療現場のリソースだ。

「医療はそもそも労働集約的な産業です。米国などでは非薬物療法が第一選択とされていて、これができるシステムがありますが、日本ではまだ。今必要なのは、医療の労働集約性を軽減するシステムです」。

図 睡眠障害を取り巻く課題

 

IT化・データ利活用がカギを握る
医療の持続可能性

2015年に上野氏が創業したサスメドでは(1)治療用アプリの開発、(2)創薬効率化システムの開発、(3) 医療データの利活用の3つを事業の柱にしている。〈治療用アプリ〉は、睡眠診療の課題解決を目指して開発が進められ、現在臨床試験の段階だ。

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