2019年11月号
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地域特集 青森県

十和田に誕生したサードプレイス 人と地域がつながる場をつくる

アレックス・クイーン(Queen & Co. 代表取締役)

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日本語を独学で身につけ、10代で青森にやってきたアメリカ人の青年。青森に暮らし、青森のために何ができるかをずっと考えてきた。1つの答えとして生まれたコミュニティスペース『14-54』は、十和田の街をこれまでよりちょっと賑やかにしている。

『14-54』は街に開かれたオープンな場。地域をより良くしたい、盛り上げたい、という思いが根底にあれば、どんな変わったことでもチャレンジできるようにと広い空間を用意した

青森県十和田市は街なかに現代美術館が完成した2008年以降、商店街と連携した展示などで街を回遊する観光客が増えている。また、クリエイティブな人材の移住も増えてきた。商店街には未だシャッターが下りたままの店舗が散見されるが、その中に、再び人の声が響くようになった場所がある。

空き店舗を改装して生まれた『14-54』は、誰もが出入りできる開かれたコミュニティスペースだ。イベントやワークショップが数多く開催され、勉強会や文化活動、お酒の集まりと幅広い。若い世代への認知度は高く、市外から訪れる人も少なくない。

アレックス・クイーン(Queen & Co. 代表取締役)

オーナーは株式会社Queen &Co.の代表、アレックス・クイーン氏。独学で日本語を学び、13歳で大学入学を果たしてからは、10代の夏休みのほとんどを友人のいる青森県五所川原市で過ごした。卒業後はJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)でむつ市に勤務した後、上京。慶應義塾大学で文書翻訳とデータ共有システムの構築に力を注いだ。現在は愛する青森に戻り、仲間のマイケル・ウォーレン氏と会社を立ち上げ、十和田市を拠点に事業を展開している。

あえて収益を重視せずに運営

一貫して青森ファースト、会社を登記するなら青森県内と決めていた。経済的に余裕のある都市部から仕事を受注し、利益を地域経済へと還元するというスタンスをとっている。クイーンアンドカンパニーの主軸となる事業は翻訳・通訳、システム開発など。翻訳・通訳業務が売り上げの3~4割を占め、翻訳情報を一元的に管理できる「Honyaku Cloud©」は慶應義塾大学や九州大学などで採用されている。その他、ウェブサイトや映像などプロモーションコンテンツの製作も行う。

一方、『14-54』は非営利事業だ。運営するのは地域に交流の場を提供するためであり、いくつもの事業を手掛けて収益基盤が固まっているからできることだとクイーン氏は話す。

「地域のために始めたプロジェクトから収益を得ようとすると、稼ぐことに追われて自由度が狭まり本来の理想からずれる可能性があります。『14-54』は自分も楽しみながら運営したい。最初から非営利と位置付けておけば、俯瞰的な目線を維持できます」

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