2019年10月号
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デジタル時代の経営者

グッチに見る、デジタル化による企業変革の鍵

一條 和生(事業構想大学院大学 特別招聘教授)

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デジタル化世界競争力ランキングにおいて、他の先進国に大きく水をあけられている日本。特に成績が悪いのが、企業の変化への対応力とスピードだ。日本企業の変革に向けて、トップの素早い判断で時代に対応し、業績をV字回復させたグッチの事例が参考になる。

わが国でもここ最近は、ようやくデジタル化への関心が高まっている。しかし実際に日本企業がデジタル化に向けて素早く動けているかどうかと言えば、それは疑問である。

ここに驚くべきリサーチ結果がある。世界のトップビジネススクールであるIMDが発表した「デジタル化世界競争力ランキング」である(IMD World Digital Competitiveness Year Book)。この調査は世界各国のデジタル化への取り組みを、Knowledge(デジタル化を担う人材、デジタル化に必要なスキルや知識)、Technology( デジタル化の技術インフラ)、Future readiness(変化対応力)という3つの観点から評価している。

IMD World Digital Competitiveness Yearbookによる日本の評価。2018年の調査では評価を上げ、22位になった

2017年の調査では、シンガポールが世界ナンバーワンと評価された。KnowledgeとTechnologyに関して世界1位、Future readinessに関しては世界6位という、堂々の1位である。トップ5にはスウェーデン(2位)、フィンランド(4位)、デンマーク(5位)など、北欧の国が3カ国もランクインしている点も注目される。

充実した社会保障体制を背景にしたデジタル化に伴う職種転換の促進、小国というサイズを生かした俊敏な対応が、高ランキングの要因だ。それでは日本はどうだろうか。調査対象とされた世界63カ国中、27位というのが日本のデジタル化に対する評価である。GDPが依然として世界3位ということを考えると、この評価はかなり低いと言わざるを得ない。最新の2018年の調査では日本は5ランクアップして22位となったが、世界と比べると日本のデジタル化はまだまだ遅れている。これこそ、日本の経営者が認めないといけない「不都合な真実」である。

変化対応力の低さが致命的

日本におけるデジタル化の促進に関して注目すべきことは、Future readiness、つまり変化対応に関して極めて低い評価がなされていることである。変化に対する企業の俊敏な対応(Agility of Companies)という調査項目に関していえば、驚くことに日本は世界最下位という評価なのである。日本のデジタル化対応への評価が2013年の20位からランキングダウンを続け、2017年に27位まで下がってしまったのも、企業がデジタル化に対して機敏に対応できていないためである。2018年にようやくランクアップしたものの、企業の対応スピードに関しては依然として世界最下位なのである。

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