2019年6月号
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トップインタビュー

菅官房長官に聞く令和時代の地方創生 インバウンド/ふるさと納税

菅 義偉(内閣官房長官)

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菅官房長官は、地方に人一倍、思い入れの強い政治家でもある。ふるさと納税やインバウンド増加策を強力に推進してきたほか、農林水産分野における数十年ぶりの法改正も主導し、多様な人材や組織が活躍できる環境整備に力を入れる。

菅 義偉(内閣官房長官)

地方の活力を向上させる
「環境整備」

――現政権が地方創生の方針を打ち出し、数々の政策や規制緩和が施行されたことで、日本各地に特徴的な成果や魅力ある地域が創出されてきました。官房長官ご自身は、ふるさと納税制度をはじめ、数々のアイデアを出され、また地域の活力の柱として観光と農業を挙げられていますが、特に重視されていることは何でしょうか。

安倍政権には、「地方の活力なくして国の活力なし」という基本的な考え方があり、これは第1次安倍内閣の頃から現在に至るまで、変わりません。実際に、これまで政府としてさまざまな地方創生の取り組みを続けてきました。

政策のひとつの柱と考え、重視しているのが「観光インバウンド」です。インバウンド拡大に向けてまず行ったのは、2014年の免税品の拡大でした。従来、免税品と言えば電化製品など一部の一般物品に限られていましたが、化粧品、医薬品、食品、飲料、果物などの消耗品にも拡大し、地域の特産品も免税品にできるように変えました。

また、ビザの要件を抜本的に緩和するなど、様々な大胆な施策を講じたことで、2012年には約836万人にとどまっていた訪日外国人旅行者は毎年伸び続け、2018年には3,119万人まで増加しました。政府は2020年に訪日外国人旅行者を4,000万人にするという目標を掲げていますが、すでに視野に入ってきていると考えています。また、インバウンドの増加は、当然ながら国内の消費拡大にもつながっており、2012年には約1兆800億円だった訪日外国人の消費額が、昨年は約4兆5千億円まで拡大しました。

――東京一極集中を是正し、地方への移住を促進するなど、地域の担い手を増やす政策も打たれています。その成果をどのようにみられていますか。

これはあまり知られていませんが、政権発足以来、農業政策を大胆に見直しており、例えば、減反政策を約40年ぶりに廃止しました。このほか、農業協同組合法は60年ぶり、森林関係の法律と漁業法を約70年ぶりに改正し、何十年間も手をつけられなかった改革を実現しました。こうした環境整備もあって、新規就農者数は増加してきています。49歳以下の若い新規就農者が、4年連続で2万人を超えました。これは、日本が今後、農林水産物や食品の輸出に力を入れる上でも重要なことです。

農協法改正については、農協が全国に約1万3千あった頃の法律が、現在は約600まで減少しているにもかかわらず、全く変わっていなかった。森林関係では、所有者不明の森林がたくさんある中、意欲ある森林経営者に最長50年間貸し、伐採から植栽までできるように法整備をしました。日本の漁獲高は30年前まで世界第1位でしたが、現在7位です。世界の漁獲高はこの間、倍になったのですが、日本は3分の1に減少しています。この主たる要因は明確で、世界は養殖が5割を占めている中、日本は2割に過ぎない。漁業従事者は40数万人いたところから、約16万人に減っています。そこで、最終的には各都道府県の判断により、漁業組合が実施していない場所は漁業組合以外の民間事業者が養殖ができるように漁業法を改正しました。具体的には、養殖に民間企業が参入できるチャンスを作るため、漁業権の免許の優先順位の規定を変更しました。また、魚の種類ごとに漁獲量の目標を設定して、魚の資源量を管理できる仕組みにするなどして、漁業の成長産業化を目指しています。これから大きく変わると思います。

また、農業はこれから輸出にも力を入れていきます。政権交代前は約4,500億円だった年間の輸出額が昨年は9,000億円を超えました。今年は年間輸出額1兆円という目標があり、達成が完全に視野に入っています。

このように、政策を実現する過程の中で判明する障害をひとつひとつ取り除いていけば、大きな政策も実現でき、地方に非常に大きな活力が生まれると思っています。

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