2019年3月号
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地域特集 静岡県

岐路に立つ静岡県の観光・産業振興 その突破口とは

嶋田 淑之(ジャーナリスト、産業能率大学兼任教員)

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富士山・伊豆の温泉地など観光資源に恵まれ、またモノづくり県としても製造品等出荷額全国4位の静岡県だが、実は今、抜本的な変革を要する「歴史の岐路」に立っている。それは一体何なのか? 観光と製造業という2つの視点から明らかにしたい。

曲がり角の県観光

かつて「富士山・芸者・寿司・腹切り」といえば、外国人のステレオタイプな日本像を表わすフレーズだった。しかし、彼らの日本に対する知識・関心は次第に深化・多様化し、上記のフレーズがほぼ死語となりつつあることは言うまでもない。

だが、日本人にとっては、富士山が日本を象徴する存在であることに何ら変わりはないし、特に静岡・山梨両県の人々にとってはなおのことそうであるに違いない。

「観光スポット」としての再構築が求められる富士山

そんな中、気になるデータがある。

世界最大の旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」が毎年発表している「外国人に人気の日本の観光スポットランキング」において、ある異変が起きているのである。

同ランキングの2015年版では、13位に「富士山(静岡・山梨県)」がランクインしていたが、2016年版ではベスト30から消え、富士山関連はわずかに「山梨県・富士河口湖町」が富士山の眺望の美しい場所として23位にランクインしたに過ぎない。

続く2017年版では23位から28位に後退し、さらに2018年版では圏外に去ってしまった。もはや、他県を含め富士山関連の観光スポットは、ベスト30には存在しない。

静岡県が、訪日外国人観光客に向けて今後も「富士山」を訴求していくのであれば、「観光スポット」としてどういう楽しみ方を提案していくのか、今、曲がり角に差し掛かっていると言えるだろう。

求められる伊豆のブランド再構築

類似したことは、伊豆半島についても言える。こちらは主に国内観光客向けとなるが、定番の人気観光地としての伊豆の地盤沈下は深刻だ。東京圏に住む人にとっては「安・近・短」な旅行先であり、長年人気を博してきたが、宿泊客数は往時の6割未満へと激減し、人口流出・過疎化・高齢化が地域の衰退に拍車をかけている。

そういえば、伊豆高原への移住を真剣に検討するほどの「伊豆ファン」だった筆者も、ここ数年は行っていない。

良質な泉質を誇る温泉群は素晴らしいが、それ以外と言うと、「金目鯛の煮つけ・舟盛り」など「定番の魚料理」しかイメージできない人が多いなど、観光をめぐるトレンドが急速に変化してきている中、やや旧態依然の印象を与えることも事実だ。もちろん個々のホテル旅館・飲食店などは斬新な取組みをしているのだが、今や伊豆は、エリアとしてのブランド再構築の時期を迎えているのではないだろうか?

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