2018年11月号
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SDGsは新規事業のチャンス

年商1000億円の家具ブランドへ 顧客と永続的な関係を築く

和田 直希(カマルクホールディングス 代表取締役)

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シンガポールに本社を置くスタートアップ「カマルクホールディングス」。同社は、家具を大量生産・大量消費するものである、という価値観から脱却。「顧客への価値提供」と「環境配慮」を両立させた、今までにないブランド・サービスを提供している。

インドネシアで家具製造に携わっていた和田直希氏が2014年6月に創業したカマルクホールディングス。薄型スピーカーを内蔵し天板全体から音が出る机「サウンドテーブル」を開発・製造した「IoT家具」メーカーとしても知られている。

「音×家具」をコンセプトにテーブルとスピーカーを組み合わせ、スマートフォンから自分の好きな音楽を流したり、外の天気に応じた環境音を奏でたりできるスピーカー内蔵型テーブル「SOUND TABLE(サウンドテーブル)」

2008年、当時28歳だった和田氏がインドネシアに移住したことを機に、日本向け家具のOEMを受託したのがビジネスの始まり。「一からスタートして5年ほど経った頃には、大手キッチンメーカー・建材メーカー・家具メーカーとの取引を獲得し、キッチンだけで年間約30万台扱う東南アジア最大規模のサプライヤーに成長することができました。従業員数もかなりの数を抱え、周りから見れば順風満帆な滑り出しだったと思います。しかし、自分たちの製造力やチーム力に自信がついてきた一方で、このままメーカーからの『もっと安くつくって欲しい』という要望に応え続けているだけでは、いずれユーザーとの接点が途絶えてしまうだろうなという危機感が芽生えてきたんです」

和田 直希(カマルクホールディングス 代表取締役)

というのも、1980年生まれの和田氏は、高度経済成長期に続々と生まれた“ニュータウン”が、40年経った今ではすっかり“ゴーストタウン”と化しているのを実際に見て、悲哀を感じていたからだ。大量生産・大量消費こそが良しとされていた時代は終わり、日本でも豊かさに対する価値観が大きく変化してきている。売上をつくることは企業を永続させるにも事業の幅を広げるためにも大切だが、「売ればおしまい」という気持ちが度を超すと、メーカーも消費者も「安かろう、悪かろう」で商品を粗末に扱うようになる。「いくら売上が伸びるとしても、すぐに捨てられるような家具をつくり続けるのかと思うと悲しいじゃないですか。とくに、家具や住宅のように生活に密着したものは、長く愛着を持って使いたいと考える人が多いと思いました」

また、エモーショナルな理由だけでなく、ビジネスとしてもCPA(顧客獲得単価)ばかり意識して、自分たちのモノづくりの実績が、“売る”という行為でしか可視化されないのは「損だ」と和田氏は計算。売上を伸ばすと同時に、ユーザーとより良い関係を築いていけるブランドを作ってみたいという意欲がみなぎってきたとき、着目したのがIoTだった。

「IoT」を活用するうえで、カマルクが重要視したのは、購入者の「使用状況がわかる」という点だ。従来の家具なら、販売後にあまり使わずに部屋の隅や物置に追いやられようが、大型ゴミとして処分されようが、売り手の知るところではない。ところがIoT家具であれば、無線通信システムを介して購入後の稼働率がリアルタイムでわかる。「この可視化が、私たちにとって非常にエキサイティングでした。顧客が製品を愛用し、ファンとなり、さらに良いものを求める姿がイメージできれば、プル型のマーケティングが可能となり、新製品や新サービスのアイデアや、既存のもののブラッシュアップに役立ちます」

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