2018年11月号
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SDGsは新規事業のチャンス

食品ロスを大幅削減へ 「便利だから」がサービス浸透の原動力

関藤 竜也(グラウクス 代表取締役社長)

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SDGsのターゲットの一つに、2030年までに世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させることが盛り込まれている。世界各国で、企業努力や社会貢献活動を通じて取り組みが進められる中、ビジネスとして食品ロスを解決しようと業界にイノベーションを起こし、注目を集めている企業がある。

関藤 竜也(グラウクス 代表取締役社長)

本来食べられるにも関わらず捨てられてしまう「食品ロス」は国内で約646万トン(2015年度)。日本には「もったいない」という考え方がある反面、過度に鮮度、質を求めるところもあり、食品ロスはなかなか減らないのが実態だ。

過度に鮮度、質を求めることの代表例として、食品業界の「3分の1ルール」という商習慣がある。製造日から賞味期限までの期間を3分割して、卸・小売りへの納品期限は製造日から3分の1まで。店頭での販売は次の3分の1までとなっており、それ以降はメーカーに返品されるというものだ。返品された製品がそのままコストをかけて廃棄されることも少なくない。

グラウクスは、この問題に対して、「メーカー」「消費者」「社会」がWin-Win-Winとなる仕組みを構築した企業だ。同社は、社会問題を解決するショッピングサイト「KURADASHI.jp」を運営。「“もったいない”を価値へ」をキャッチフレーズに、「3分の1ルール」などでメーカーに返品された賞味期限が迫った食品や季節商品など、一般の小売店での販売が難しくなった商品を格安に購入できるようにしている。その際、「買い物を通じて気軽に継続的に社会貢献できるところが、単なる安売りサイトとは違うところです」と、代表取締役社長の関藤竜也氏が言うように、購入金の一部(3~5%)は環境保護、動物保護、医療、社会福祉、地域活性、災害対策の支援先団体に寄付されている。

「メーカーは食品ロスを削減できる」「消費者は安く商品を購入できる」「寄付により様々な社会課題が解決される」。このすべてのステークホルダーに喜ばれる仕組みから、サービスを利用する会員数は2018年8月末時点で6万3000人、商品を提供する協賛企業は550社にものぼる。

さらに、企業が運営するショッピングサイトであるにもかかわらず、取り組みに賛同する東京都がホームページで「KURADASHI.jp」を紹介し、NHKをはじめとした数多くのメディアが積極的に紹介するなど、事業への共感から、自社で広告宣伝を行わなくとも賛同の輪は次々と広がっている。

社会問題を解決するショッピングサイト「KURADASHI.jp」に賛同する企業は年々増え、商品を提供する協賛企業は550社にまで増えている

消費者行動を変えずに
仕組みを変える

では、なぜグラウクスがこのような仕組みを構築できたのだろうか。

「良いことをしようと思っていても、それぞれの人の生活があるから、そればかりを継続して行なうことはできません。企業も消費者も今までと行動を変えずに、新しい仕組みが便利だからと利用しているうちにロスがなくなっている、という方向にならないと長続きしません」と関藤氏。

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