2018年10月号
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構想を実現する戦略広報

中川政七商店 事業拡大成功の背景に社内ブランディング

中川 政七(中川政七商店 代表取締役会長 十三代)

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中川 政七(中川政七商店 代表取締役会長 十三代)

中川政七商店は1716年に奈良市で麻織物の問屋として創業した、300年以上の歴史を持つ企業です。私は富士通での勤務を経て2002年に常務取締役として入社したのですが、まず取り組んだのが担当していた雑貨事業部の黒字化でした。生活雑貨ブランド「粋更kisara」の立ち上げと直営店「遊中川」の展開とともに、工芸業界初のSPA(製造小売)業態を取り入れ、2~3年で数字が付いてくるようになりました。

ビジョンの制定と浸透

環境が安定してくると、社員の働きがいを整備する段階に入りました。「私たちは何のために働いているのか」と考えたときに、土台になる「社是」がないことが気にかかり、2007年に「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを制定しました。

「元気」という言葉には2つの意味が込められています。ひとつは工芸の担い手の皆さんが経済的に自立すること。2つ目は、後継者不足などで衰退しつつある日本のモノづくりの"誇り"を取り戻すことです。我々の仕事には社会的意義があるのだと実感してもらうことが狙いでした。

2008年の社長就任以降は、このビジョンをもとにブランディングを強化してきました。特に、従業員がビジョンをしっかり理解していれば、メディア露出や店舗での接客を通じて対外的なブランディングができるので、「教育」は大切に考えています。

まず取り組んだのが毎年8月に本社で実施してきた「政七まつり」(2016年まで)。1日かけて社員らにビジョンの浸透を図る目的のイベントです。企画と運営を担うプロジェクトチームは毎年社内公募で10人弱を集めました。例えば「自分軸の働く目標を持つ」というテーマで実施した年は、会社の軸(ビジョン)と個々人の軸の重なり合いについてワークショップを通じて考えるという内容でした。

2017年10月に実施した社員向けワークショップ。「くつしたメーカーの現状を知り、元気になるお手伝いをする!」をテーマに議論した

産地へ押しかけコンサル

このような活動を約10年間続けてきた結果、ビジョンはある程度浸透させることができ、次のフェーズに入ってきたなと感じました。そこで、2017年からは「政七まつり」の代わりに、工芸産地への視察ツアーを実施しています。

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