大阪校・福岡校でプレゼミ開催 実践知に基づく研究の質をアップ

大阪校・福岡校でプレゼミを開催

事業構想大学院大学では4月より大阪・福岡に別置キャンパスが開校し、各地域の経済界や学術研究に取り組む有識者との連動を密にしつつある。また、通常の授業に加えて、大学院生と教員とが直にコミュニケーションを取り、日々の研究の質を高める試みが進められている。

その1つが、大阪校・福岡校におけるプレゼミだ。このプレゼミとは、事業構想を計画するに際して教員と直接対話を行って指導を受け、早期に質の高い準備を図る狙いで開催された。6月の各週土曜、一部はランチミーティングを挿む形式とし、前半の2週を「事業構想を立案するための基本的考え方」の講義、後半の2週を「院生による事業構想案のプレゼンとそれに対する教員からのコメント」に充てて実施した。

専門職大学院で研究するメリットはビジネス経験者を含む幅広い専門分野の教員から、その豊富な実践知に基づいた指導を受けられることにある。地域資源と密に結びついて創発を促す仕組みがある。

「基本的考え方」を講義する岸波教授。

森井教授と竹安教授によるゼミの模様。円卓を囲んだ討議は研究の前進を促す。

 

院生の声

上坂 高寛(うえさか・たかひろ)
エルピクセル チーフ・マーケティング・オフィサー
(2017年入学・6期生)

情報システム学修士を修了後、医療系のベンチャー企業に参画。博士号取得を視野に入れるなかで実務面での更なる成長 を目的に、本大学院に入学しました。事業ドメインである医療領域を軸に、知識創造論や社会学など、専門外の学びも得て、実務に応用しています。

一貫してマーケティングに従事していますが、現在は、コーポレート・アイデンティティを構成する要素(理念・行動・視覚)の見直し(リブランディング)や全体スキームの再構築を担っています。

現在の注力事業は、人工知能(AI)を活用した医療画像診断を支援する技術EIRL(エイル)の研究開発を進めています。EIRLは、医師がMRIやCT、内視鏡などの医療画像を見る時に、注意すべき特徴をハイライトで知らせます。臨床現場での活用を見据え、ソフトウェア医療機器としてPMDA(医薬品医療機器総合機構)やFDA(米食品医薬品局)の承認を取得することを目指しています。

学卒で進学した専門職大学院は社会人が9割を占める環境でしたが、実務経験がないため、環境をうまく生かすことができませんでした。本大学院では、様々なバックグラウンドを持つ同級生や教員とのディスカッションを通じて、日々成長を実感しています。

生活習慣も変え、早朝や通勤の時間を上手く使い自学や構想に充てています。現在の組織は所定の条件を満たせば付与される「社会人入学支援制度」があり、福利厚生を活用しています。

将来的に、社会課題を解決する事業を創っていきたいと考えていますが、それがどんな環境で実現可能かは模索中です。ゼミでは自分史(ライフヒストリー)を描くことで経験の棚卸しを行い、指導教員の幅広い知見や経験・人脈を活用しつつ、組織と自身 の更なる成長を狙っています。