文化庁長官が語る 憧れを汲み取りストーリーを伝える日本遺産

来たる2020年の東京オリンピック・パラリンピックは「文化の祭典」としても期待される。ストーリーでどう人々の関心を引き付け、いかにして地域に足を運んでもらうのか。「日本遺産」の認定ほか新しい視点で取り組む、東京発「文化芸術の未来を創る」構想を聞いた。
聞き手:田中里沙(事業構想大学院大学 学長)

 

宮田 亮平(文化庁 長官)

長い歩みを要した 基本法制定

今年の6月23日に16年ぶりに「文化芸術振興基本法」が改正され、「文化芸術基本法」になりました。今回の改正は、文化芸術の固有の意義と価値を尊重しつつ、関連分野における施策を本法の範囲に取り込むとともに、文化芸術により生み出される様々な価値を文化芸術の継承、発展及び創造に活用しようとするものです。

また、2015年に「日本遺産(Japan Heritage)」を創設し、 地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを認定しています。地域に点在する文化財の把握とストーリーによるパッケージ化を行ない、地域全体としての一体的な整備・活用を進め、国内外への積極的かつ戦略的・効果的な発信に役立てるものです。2020年までに少なくとも100の地域を選定することを目標としています(2017年9月現在では54)。年に一回、当庁が都道府県の教育委員会を通じて、認定の希望に関する募集を行ない、審査を経て認定の可否を決めています。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り79%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。