商品ではなく作品を売る 美味しさを創り出すモスバーガーの強み

おいしさ、できたて、手づくりにこだわり、ファーストフードとは対極のハンバーガー文化を築き上げてきたモスバーガー。櫻田会長が、初期投資180万円でスタートした成長の歴史と、同社の理念について語る。

櫻田 厚(モスフードサービス 代表取締役会長)

商品ではなく作品を売る

モスバーガーの創業は1972年。櫻田会長の叔父、櫻田慧氏が「アメリカで食べたとびきり美味しいハンバーガーを日本に」という想いから、証券会社を脱サラしモスバーガーをスタートした。

同じ時期、1971年には、大阪万博にケンタッキーフライドチキンの日本1号店、世界のマクドナルドが銀座三越の1階に華々しくオープンしている。

そうしたなか、埼玉県との県境、東京都板橋区成増に、面積2.8坪。初期投資180万円で八百屋の倉庫を改築してオープンしたのが、モスバーガーの1号店。

櫻田会長は、20年前に亡くなった創業者の「俺たちはハンバーガーという商品ではなく、作品を売る」という言葉が忘れられないという。大量に作ったものを大量にストックして大量に販売するというスタイルは取らない。一つひとつ心を込めて、商品ではなく作品を作る。それが創業当時からのモスバーガーの変わらぬ姿勢だ。

お客さま一人ひとりに対して、例えば子どもならマスタードを控える、オニオンを抜いたり、ケチャップの量まで調整する。つまりカスタマイズしていく。

「商品と作品は、まちがいなく違います。本当の『おもてなし』を提供する、お客さまを喜ばせる、幸せな気分にする。モスは、そういうお店だということを、創業者から学びました」(櫻田会長)。

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