「南北問題」に苦しむ三重県 解決のカギは外国人観光客

三重県の主要な社会課題に「南北問題」がある。名古屋経済圏・中京工業地帯に連なる四日市市など県北中部の「北勢」と、南部の「伊勢志摩」や「東紀州」との間に深刻な経済格差が生じている。衰退を続ける南部の再生は可能なのか? 創生への道を考えてみたい。

壮大な断崖と奇岩怪石群が広がる、熊野市奥地の「瀞峡」 Photo by 熊野市観光協会

三重県観光をめぐる2つの問題

県南部における地域資源で圧倒的な力を有しているのは観光資源である。そこで、観光をキーにした地域創生が想定されるが、そこには2つの問題が存在する。

第1は、「伊勢志摩」における「観光振興が地域創生に直結していない」問題である。1990年代以降、「おかげ横丁」の創出とその発展により、伊勢志摩への観光客数は往時の勢いを取り戻しつつある。しかし、それにもかかわらず、伊勢志摩からの人口流出・過疎化・高齢化は留まるところを知らず、むしろ加速化している。

観光に関連した領域で、「現役の若手・中堅世代から見て魅力的かつ将来性のある雇用を、いかに多数創出し、彼らの経済的・社会的立場を安定したものへとなし得るか」が、創生のカギを握っていると言えるだろう。鳥羽市の「漁観連携」の試みなど注目されるが、三重県庁はもとより、各市区町村における、より多様な事業構想創出が望まれる。

第2は、高度経済成長期と比較してもアクセスがいっそう悪化し、誘客がいよいよ困難になっている紀伊半島南部「東紀州」をめぐる問題である。

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