八ッ橋の再発見、市場を広げる 京の老舗が新ブランドに挑む

伝統の味と製法を次代に継承するため、創業320年以上の老舗の八ッ橋店が、新ブランドの八ッ橋専門店を展開。同事業を牽引するのは、鈴鹿可奈子専務。八ッ橋を「お土産」として観光客に売るだけでなく、地元・京都の顧客層を開拓している。

京都市左京区にある聖護院八ッ橋総本店。320年余りの歴史を持ち、現在も、八ッ橋が手作業でつくられていた往時の製造方法を伝えている

京都のお土産に「八ッ橋」を挙げる人は多いだろう。観光や修学旅行の思い出とともに、あのニッキの風味を思い出す人は多いのではないだろうか。

今、京都土産の定番となっている八ッ橋は、元禄時代に生まれた伝統菓子でもある。その製造・販売元は複数あるが、左京区に本店を構える聖護院八ッ橋総本店は老舗中の老舗だ。同社で専務取締役を務める鈴鹿可奈子氏は、新ブランドの店舗も手掛け、八ッ橋のマーケットを広げている。

鈴鹿 可奈子(すずか・かなこ) 聖護院八ッ橋総本店 専務取締役

「定番のお土産」から脱却へ

「京都の人にこそ、もっと八ッ橋を食べてもらいたいんです」と鈴鹿氏は語る。社長である鈴鹿且久氏の一人娘として生まれ、八ッ橋に親しんで育った。そんな鈴鹿氏の悩みは、「八ッ橋は観光客が買うもの」という認識が京都の人間にあることだ。

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