ネット古書店、過疎地を救う 古本屋は障がい者の就労にピッタリ
東京で起業し、島根県川本町に移転したインターネット古書店「エコカレッジ」は、過疎の町で新たな雇用を創出し、障がい者の就労支援も展開。尾野代表は人材育成にも積極的に取り組み、地方から起業の連鎖を生み出している。
―なぜ「専門書の古書店」という事業に目を付けたのですか。
尾野 大学時代、講義で使われる教科書は価格が高く、使い終わったら後輩に譲るといったことがよく行われていました。そこで、学内で教科書のリサイクル販売をしたことがきっかけで、専門書に高いニーズがあることがわかり、在学中に「エコカレッジ」を起業したのです。
専門書に絞ることで、ベストセラーを安価で売るような大手古書店とも差別化できます。ただ、多くの冊数は出ないので、販売回転率は長く、たくさんの在庫を抱えなければなりません。
エコカレッジの最初の事務所は、東京・文京区にありました。しかし、東京は家賃などのコストが高い。インターネット販売なので、会社の立地は関係ありません。そこで、地方への移転を決断しました。
家賃は東京の100分の1
―移転先に、島根県川本町を選ばれた理由は何ですか。
尾野 祖父母が松江市出身なので、もともと島根には親しみがありました。それに大学時代、研究調査で川本町を訪れる機会があったんです。そこで地域の人から「町内唯一の書店がなくなってしまった。何とか書店を再生できないか」との話を聞き、それに協力する形で、移転が実現しました。
―地方に拠点を持つメリット、デメリットについて、どう感じられていますか。
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