歌で元気、カラオケは健康産業 自治体の採用も急拡大

日本でもっとも参加人口の多いレジャーが、カラオケだ。高齢者にとっても身近な娯楽であるカラオケを、健康増進に活かす。第一興商は、自治体のマーケットでも存在感を高めている。

2016年2月、長野県松本市で開催された介護予防教室「スポーツボイス大学院」の発表会。平均年齢71歳の男性たちが、磨き上げられた歌声を披露した

「『大人の男』にしか歌えない歌がある」

2016年2月、長野県松本市で開催された介護予防教室「スポーツボイス大学院」の発表会のコピーである。そのプログラムに参加したのは、平均年齢71歳の男性・約80名。約4ヵ月間にわたり、歌や音楽に合わせて運動するトレーニングを行った。300名以上が来場した発表会では、大人の男たちの凛とした歌声に涙ぐむ家族の姿も。発表会は大盛況のうちに終了した。

近年、各自治体は健康増進・介護予防をテーマに、さまざまな事業を展開している。しかし参加者を集めるのに苦労し、特に高齢の男性の参加率は低く、多くの自治体が頭を悩ませている。

松本市の「歌と音楽」による介護予防教室には、60代以上の男性が積極的に参加。終了後も参加者がつながり、一緒に出かけるようになったという。無関心層の外出機会を創出し、自主的な活動を生み出したのである。

松本市から受託して介護予防教室を展開したのは、カラオケ業界の大手、第一興商だ。同社はいち早く高齢者市場に参入し、自治体との連携を進めてきた。

公的機関にとって、娯楽であるカラオケは一見、連携しづらい業種のように思える。第一興商は、どのように足がかりを築いてきたのか。

レーザーディスクの寄贈が契機

第一興商が高齢者市場に進出したのは、2001年だ。同年、生活総合機能改善機器「DKエルダーシステム」の展開が始まった。

当時の市場環境について、執行役員エルダー事業開発部長、戸塚圭介氏はこう振り返る。

「業務用カラオケがレーザーディスクから通信に切り替わり、大量のレーザーディスクが不要になりました。それを公民館や高齢者施設に寄贈したのが始まりです」

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