2016年8月号
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健康ビジネス

近未来予測 ウェアラブルの普及で何が起きるのか

八村 大輔(メディシンク 代表取締役社長CEO、明治大学 社会イノベーション・デザイン研究所 特任研究員、多摩大学 医療介護ソリューション研究所 フェロー)

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ウェアラブル市場が立ち上がり、生体情報と連携したヘルスケアサービスも続々と登場。今後、「ITヘルスケア」のビジネスはどう変化し、どんなプレーヤーが生き残っていくのか。早くからウェアラブル時代を予期していた、メディシンク・八村CEOが、今後の行方を語る。

今、FitbitやApple Watchなど、リストバンド型のウェアラブルが普及し始めている

私は約20年以上前から、ヘルスケア用ウェアラブルが普及し、個々人が自ら健康管理を行う時代が来ることを予測していました。しかし当時は、その未来像を誰も理解してくれませんでした。

10年後の2005年、現GoogleXの統括責任者アストロ・テラーが設立したBodyMediaが、日々の生体情報を収集するアームバンド型デバイスを米国内で発売。それを知って2006年に輸入交渉を開始し、メディシンクを設立しました。

エンタメ、デザイン要素を付加

健康が大事だと思っていても、実際は、健康冊子などが社内で配られても見ない人がほとんどでしょう。メディシンクは、ユーザーの自発的な健康行動を喚起するノウハウに早くから注目し、蓄積してきました。

それは私の20年前の構想から始まります。当時流行した「たまごっち」のような携帯育成ゲームを、健康をテーマに普及させ、健康マイレージで利用継続を促し、最終的には保険の割引制度につなげるという「人々の健康行動が経済を好循環させる社会の創出」のビジョンを描きました。

明るく楽しいエンタメ要素や、美しく心地よいデザイン要素と商業性を付加することで、多くの人がサービスに親しみ、継続して健康行動を起こすようになります。私はこの20年、これを「メディテインメント・コンセプト」として提唱し続け、その実現に取り組んできました。

八村 大輔 メディシンク 代表取締役社長CEO、明治大学 社会イノベーション・デザイン研究所 特任研究員、多摩大学 医療介護ソリューション研究所 フェロー

ウェアラブルは普及するのか

長らくITヘルスケアは、収益をあげるのが難しい分野と言われてきました。AppleWatchを失敗作と評価する方もいますが、ウェアラブル市場は急速に発展しています。今主流のリストバンド型をはじめ、アイウェア(メガネ)型、指輪型など、さまざまな商品がありますが、腕時計を着ける習慣が一般化しているので、今後数年は、リストバンド型がメインであり続けるでしょう。

2016年2月に調査会社IDCが発表した世界のウェアラブル市場データによると、1位はFitbit(米)2100万台、2位がXiaomi(中国)1200万台、3位がApple(米)1160万台と、各社とも販売台数を伸ばし、2016年には前年比で38.7%増の1億1000万台、2020年には2億3000万台の出荷見込みと予測されています。

また、2015年にはファッション時計メーカーの米Fossil社がMisfitを約320億円で買収し、さらに2016年、Nokiaが仏Withings社を214億円で買収するなど、M&Aが活発です。こうした動きは、端末の一般化をさらに加速させるはずです。

また、高級時計ブランドのタグ・ホイヤーやフレデリック・コンスタントなどがヘルスケア機能付きスマートウォッチを発表。Appleは仏エルメスと、Fitbitは米トリーバーチという靴・鞄の有名ブランドとのコラボ端末を発表し、今後はより一層ファッション化が進みます。

「ヘルスケア機能が欲しいから」ではなく、「腕時計や◯◯を買ったら、ヘルスケア機能も付いてくる」時代になっていくでしょう。

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