農産物ブランド化へ、「女子会」や「ぐんまちゃん」を総動員

高速道路や新幹線の整備進展、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録などを追い風に、人・モノ・情報が集積するエリアとして拠点性を高めている群馬県。群馬県の今後の成長ビジョンを大澤正明知事に聞いた。

大澤正明(おおさわ・まさあき)群馬県知事

――群馬県独自の魅力や強みをどのように見ていますか。

群馬県は東京から100km 圏に位置し、古くから、東京、信越、東北、中京を結ぶ交流の要衝として発達してきました。近年では、北関東自動車道の全線開通や北陸新幹線の延伸など、高速道路や新幹線の整備が進み、高速交通ネットワークの結節点として拠点性が高まっています。

産業では、日本の近代化を支えた絹産業から輸送用機器や食料品、電気機器などの製造業に至るまで、高度な産業技術が集積しています。また、新鮮な農林水産物が年間を通じて生産され、多彩な食材を首都圏に出荷しています。

さらに、尾瀬や谷川岳に代表される豊かな自然や、草津、伊香保、水上、四万をはじめとする魅力的な名湯・秘湯、加えて、2014年に世界文化遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」など、観光資源や歴史文化遺産が数多くあることも強みです。

産業・経済だけでなく、幅広い分野における交流の拠点として、非常に大きな可能性を持っています。

ふるさと愛を育む「尾瀬学校」

――他方、課題は何でしょうか。

やはり人口減少です。県の人口は、2004年をピークに減少に転じ、今後、将来にわたって減少し続けることが予想され、生産年齢人口の減少による人口構成の大きな変化が見込まれています。特に、県外の大学や短大などに進学した県内高校卒業者のうち、卒業時に群馬県内へ就職する人は、半数にも満たない状況にとどまっており、人口の社会減の原因の一つになっています。

こうした人口減少と人口構成の大きな変化は、県政のあらゆる分野に大きな影響を及ぼす問題です。社会増の観点から人を呼び込み、自然増の観点から子どもを産み育てる環境を整え、人口減少に歯止めをかける取り組みを進めていかなければなりません。

これまでも、群馬県では人口減少社会を見据えて様々な取り組みを行ってきました。例えば、ふるさとを愛する心を育むため、小中学生を対象にした「尾瀬学校」を実施しています。環境保護の原点とされる尾瀬において、ガイドを伴った少人数のグループによる質の高い自然体験を提供しており、将来進学等で群馬県を離れたとしても、就職等を機に県内に戻る愛着を持ってもらえると考えています。

子育て環境の整備では、中学校卒業までの子ども医療費の無料化や、小・中学校における少人数クラス編制による発達段階に応じた指導体制の充実など、全国トップクラスの手厚い制度を実現してきました。

人口減少対策を土台に据えて、先人が遺してくれた可能性を生かして、人・モノ・情報を呼び込むという新たな発想で、群馬の未来を創生し、次の世代に引き継いでいきます。

「ものづくり立県」の強み

――「ものづくり立県」として知られる群馬県ですが、この強みをどのように伸ばしていきますか。

群馬県は、古くから富岡製糸場をはじめとする絹産業や中島飛行機を核とした航空機産業が発展し、技術力の高い中小企業が育まれてきました。

広く厚い産業基盤と、豊富で多様な農畜産物などの資源を生かし、これまで発展してきた自動車、食品、電気・電子などの基幹産業のさらなる発展を図るとともに、これらの産業を支えてきた中核・中堅企業などを支援します。イノベーションの促進や、サービス産業の生産性向上、物流機能の強化、企業誘致を進めます。

ものづくり産業の高度化・育成にあたっては、技術・製品開発から販路開拓まで一貫した支援やビジネスマッチングはもちろんのこと、機能やデザインに優れた“売れるものづくり”を推進し、市場や大企業ニーズを先取りした開発を促進します。また、IoT(モノのインターネット)やビッグデータを活用した新しいものづくりに対応するため、センサー技術やデータ解析の手法などについて研究し、セミナーなどを通じて情報提供していきます。

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