表示問題の重要性と対策-機能性表示食品制度、景品表示法-

機能性表示食品制度(平成27年4月~)と、景品表示法の重要改正(平成26年)が行われたことにより、消費者庁による摘発が増加傾向にある。表示問題は重要性を増しており、新事業の開始にあたって、対応が必須だ。

平成27年4月から、従来からの制度である特定保健用食品と栄養機能食品の制度に加えて、機能性表示食品の制度が創設され、また、平成26年には景品表示法の重要な改正が行われ、消費者庁による摘発も従前よりも増加しているなど、消費者への商品に対する表示規制に関する法制度が次々と整備され、事業を行う者にとって、一般消費者に対する表示の問題は重要性を増している。そこで、今回はこの問題について解説したいと思う。

表示に関する法規制の概要

表示に関する法制度は、通称「景品表示法」と呼ばれている「不当景品類及び不当表示防止法」(正式名称)が中心的なものとなる。この他に、個々の業種ごとに、例えば、医薬品関係については「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(「医薬品医療機器法」などと略称されている)、食品については「食品表示法」、その他にも「家庭用品品質表示法」、「住宅品質確保法」、「健康増進法」、「特定商取引に関する法律」などの各種業法で、その業種特有の表示に関する規制が定められている。

したがって、事業を行う者としては、まず景品表示法に関する一般的な理解をした上で、自社が行っている業種ごとに、一定の表示をしなければならないとされている事項、禁止される表示などを把握して法規制に従った表示を確認しておく必要がある。

景品表示法に違反すると

景品表示法で特に重要なものは、優良誤認表示・有利誤認表示と呼ばれる規制である。この表示規制に違反すると、消費者庁長官による措置命令が発せられる。措置命令では、違反行為の差し止め、再発防止策の策定、一般消費者が誤認することを排除するために新聞広告をする措置をとることなどが命じられる。措置命令が出されると、その事実が世の中に周知させられるので、事業者にとってレピュテーションに対するダメージが極めて高い。

さらに、平成28年4月からは、景品表示法違反の分野にも課徴金制度が導入される。政令で定める方法により算定される不当表示の対象となった商品や役務の売上高の3%の金額が課徴金の対象となり(ただし、算定された課徴金額150万円より下回る場合には課徴金は課せられない)、事案や業種によっては、極めて高額な課徴金額となるリスクがある。

以上のように、景品表示法違反については、消費者に対して違反の事実が周知させられ、課徴金も課せられる場合もあるなど、事業者にとって厳しい措置がとられる。

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