沖縄県の描く成長戦略 「アジアの中心」で物流・航空機産業育成

沖縄県はアジアと日本本土の中心という地政学的な特徴を持つ。急速にアジア諸国の経済が成長する今こそ、人・モノ・カネを取り込む絶好のチャンス。9月に公表された「沖縄県アジア経済戦略構想」から、県の未来像を読み解く。

アジアの経済成長と共に、沖縄の存在感が高まっている(上海の街並み)

アジアの成長を取り込む

21世紀は『アジアの世紀』と言われる。中国や東南アジア、インドなどの国々は、安価な労働力を求める先進国の製造業が次々と生産拠点を移転し、『世界の工場』として成長してきた。これにより、アジア各国では所得と教育水準の向上、インフラの整備などが進み、中間所得層と富裕層が増加、巨大な消費市場をもつ『世界の市場』へと進化を見せている。アジアの中間層は2020年までに20億人に増え、その消費規模は日本の4.5倍に成長すると予測されている。

こうした中で、東アジアと日本本土の中心に位置するという地理的特性を持つ、沖縄県の発展可能性に注目が集まっている。

アジアの成長と巨大マーケットを取り込み、日本とアジアを結ぶ交流の場としての地位を確立、県経済飛躍を目指すために、沖縄県は2015年9月、「沖縄県アジア経済戦略構想」を公表した。これは2010年に策定した長期構想「沖縄21世紀ビジョン」を補完・強化するものである。

沖縄県アジア経済戦略構想では、5つの重点戦略をまとめた。

  1. (1)国際競争力ある物流拠点の形成
  2. (2)世界水準の観光リゾート地の実現
  3. (3)航空関連産業クラスターの形成
  4. (4)国際情報通信拠点『スマートハブ』の形成
  5. (5)新たなものづくり産業の推進

という目標の実現に向けて、さまざまな資源を投入していく。

沖縄県アジア経済戦略構想

出典:沖縄県資料

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