学生全員参加の「模擬会社」 徳島農業大学校の6次産業人材育成

農業の6次産業化の必要性が叫ばれる中、徳島農業大学校ではビジネス感覚を養うための、学生全員参加による模擬会社が設立された。生産から販売、経営までを行なうことで得られる「学び」とは。

そらそうじゃの定時総会。社長はじめ役員はもちろん、校長先生や教頭先生なども揃う

学生が全員参加
生産から販売、経営までを学ぶ

農業のこれからの形として、第1次産業の生産・第2次産業の加工・第3次産業の販売のすべてを農業者が総合的に行なう、6次産業化の必要性が叫ばれている。しかし、言うは易く行うは難しで、なかなか成果を出せない農家も多い。

そんななか、徳島県立農林水産総合技術支援センター・農業大学校では、実地授業の一環として2012年に模擬会社「そらそうじゃ」を設立している。模擬とは言っても、株主をはじめ社長や役員を設置。生産から流通、販売までを社員である学生たち自らが運営するという、全国でも珍しい事例である。

農業大学校准教授であり、「そらそうじゃ」の主担当を務める服部弘明氏は「6次産業化を見据え、学生のうちにビジネス感覚を身に付けてもらうのが狙いとなります」と設立経緯について話す。

「会社名の『そらそうじゃ』とは学校が位置する徳島県北部阿波地方の方言で、『そうですね』という意味です。郷土の者にとっては親しみがあり、また同意や共感を表すポジティブなイメージもありますのでその名がつけられました。入学する学生全員が社員となり、それぞれの役割を責任もって実行し、会社へ利益をもたらせるよう努力しています」

農業大学校には本科として生産技術・地域資源活用・アグリビジネスの3コースがあり、学生は入学時にそのいずれかに所属する。それらコース分けが模擬会社においてはそのまま3つの事業部となる。各事業部内には企画開発・農場管理・営業・経理の4つの担当課を設置。それぞれ商品開発、生産、広報、事務処理といった会社運営に必要な仕事に従事する。

株主は生徒の保護者からなる後援会になってもらい、決算も当然のことながら実施する。総会で健全な収支が報告できるよう、経費の管理や内部留保の調整など、実際の会社と同じくモノ・カネ・ヒトのバランスを整えながら運営を行なっている。

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