会津を日本のシリコンバレーに 大学発ベンチャー数は全国1位

これまでにない道案内アプリ「指さしナビ」で話題の大学発ベンチャー、会津ラボ。会津大学1期生にして、会津ラボ創業者の久田雅之氏は、「会津をシリコンバレーにする」という大きな目標を掲げる。

会津大学は昨年、学生1000人当たりの大学発ベンチャー数ランキングで全国1位となった

会津に拠点を置くITベンチャー・会津ラボが開発したアプリ「指さしナビ」が、全国に広がりを見せている。スマートフォンのカメラ画面に目の前の風景を映し出すとマスコットキャラクターが現れ、行くべき方向を指さして道案内してくれるというアプリだ。

「地図を読むのが苦手」という会津ラボ代表の久田雅之氏が、「目的地に到着するために最低限必要な情報は方角と距離だけ」という発想から生み出した。リリースすると、その反響は大きかった。地元・会津若松市の観光スポットを案内する『会津若松ナビ』 で採用されたほか、「営業活動一切なし」で現在は福島県の14市町村、鳥取県鳥取市でも利用されている。

今年1月からは、IT企業の営業支援サービスなどを手掛けるアクロネットと提携し、全国の自治体向けに提供を開始。今年度中に一気に導入が拡大すると予想される。まさに会津発のヒットアプリの誕生だが、「会津をシリコンバレーに」という目標を掲げる久田代表にとって、これは最初の一歩に過ぎない。

大学での「教え」を守り起業

そもそも愛知県出身の久田代表が、会津で起業し、シリコンバレー化という壮大な目標を持つに至ったのは、今年、「スーパーグローバル大学」に選ばれたコンピュータサイエンスの専門大学、会津大学に入学したことがきっかけだった。

「私は、1993年に開学した会津大学の一期生なんです。会津大学は県立で、農業、観光が主要産業だった会津に、ITを第3の産業として育てるためにつくられました。開学当時から講師の70%が外国人で、最新の機器を備えた最先端の大学でした。私は、恩師である初代学長の國井利泰先生に『博士号を取った暁には、地元のために起業しろ。お前が会津の第3の産業としてITを根付かせて、シリコンバレーをつくれ』と言われてきました」

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