2014年11月号
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社会イノベーションの起こし方

おちまさと氏に聞く ヒットを生むアイデア発想法

おちまさと(プロデューサー)

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8月、東京スカイツリータウンに史上最大級のボールプール温泉「東京こども区こどもの湯」がオープン。1か月で来場者2万人を突破した施設のプロデューサーは、おちまさと氏。数多くの企業とのコラボを成功させてきた、クリエイティブ+ビジネスの発想法とは。

ボールプール温泉「東京こども区こどもの湯」は温泉のパロディというストーリーで完成度を高め、1カ月で2万人を集客

共通の世界観をいち早く作る

東京スカイツリーは年間4000万人の来場者が訪れる人気施設です。そのソラマチに新たな子ども用遊戯施設を作りたいという打診がイオンファンタジーから寄せられたのは、4月末頃でした。オープンが8月1日、約3カ月で完成というスピーディな仕事でした。

子ども向けの遊戯施設を作るには、多くの分野のプロフェッショナルが必要です。短期間で多分野のプロをまとめ、完成度の高い施設を作り上げるには、何か一つのストーリー、世界観が必要でした。そこで、発想したのが「温泉のパロディ」です。

4歳になる私の娘は、ボールプールが大好きです。話が来た時にすぐ思いついたのはボールプール。ただのボールプールでは面白くないと考えた時、温泉の発想が生まれました。通常、温泉では「床を走ってはいけない」、「ヘリを歩いてはいけない」、「湯船に飛び込んではいけない」と子どもにとってはダメダメだらけ。このダメをひっくり返す施設を作りたいと考えました。

パロディは、時間のない時に大人数を一つにまとめるうえで、とても効果的です。「温泉にしたいんです。そのままでいいんです。お湯の代わりがボールなんです」と説明した瞬間に、全ての関係者のイメージが一つにまとまり、多くのアイデアが出てきました。一つのものを作りあげる時、チームの統一見解、共通語を早くまとめ、意識を一つにしていくことが、プロデューサーである私の仕事です。

おちまさと プロデューサー

常に広がりをイメージする

人や場所、地域が本来持っている力を最大限に引き出すのが、私のプロデュース法。温泉の発想にたどり着いたもう一つの大きな理由は、ソラマチ全体が持っているクールジャパンな和テイストの雰囲気を存分に生かそうと考えたからです。

世界観は温泉・銭湯のパロディですが、パロディだからこそ、リアリティに徹底的にこだわりました。大浴場の湯船を再現するため、8万8000個のボールを使用。銭湯に見立てた浴場には本物の職人に富士山の絵を描いてもらいました。大人がボールプールで遊ぶ子どもを見ながら休める、最新マッサージ機も完備しました。

この施設には、温泉名「こどもの湯」に「東京都こども区」というサブタイトルをつけています。今回は温泉ですが、今後「大阪こども区」「バンコクこども区」など、日本全国、世界に別分野のこども区ができる可能性をイメージしました。クリエイティブな世界観、ストーリーを作るのと同時に、常にビジネス的な広がりをイメージすることも重要です。

発想の元は「気づき」

企画力、気づき、発想、柔軟な視点、そして費用対効果。これらが、私の武器です。

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