電力小売自由化 参入チャンスは今

7.5兆円もの市場を創出すると言われる、2016年の電力小売の全面自由化。大手のみならず、中小企業や異業種にも参入チャンスは大きい。

ポイントは、自社の強みを見極めた電力付帯サービスの創造に今すぐ着手することだ。

2020年までに三段階の改革

これまで10社の民間電力会社が独占してきた電気事業。価格に関しては総括原価方式で、コストに対し利益をのせて価格を決定していた。しかし、東日本大震災がもたらした原子力事故を契機に、従来の電力システムの抱える様々な問題点が露見した。火力発電への依存度の上昇とともに電気料金が跳ね上がり、また、全国規模での電力の融通がきかないという安定供給のリスクも出ている。

こうした問題を抜本的に解決すべく、国は大胆な電力システム改革を始めた。これは大きく三段階に分けて行われる。

第一段階は電力の安定供給を確保するため、地域を越えた電気のやりとりを拡大する。2015年を目途に「広域的運営推進機関」を設立し、平常時・災害時ともに地域間の電力融通の司令塔とする。

第二段階は2016年を目途に、電力小売を全面自由化する。競争を促進することで、電気料金の最大限の抑制をめざす。

第三段階は送配電網を誰もが公平に利用できるよう、電力会社の送配電部門を別会社化し、中立性・独立性を高める。そして、小売り電気料金の規制を原則的に撤廃する。これらは、改革の最終段階として2018~2020年を目途に実施していく方針だ。

出展 : 経済産業省資料をもとに編集部加筆・作成

安売り競争には限界コア事業との連携が重要に

中でも、電力小売の全面自由化は大きなインパクトだ。1995年以降、電力小売は大口需要家向けから段階的に自由化されてきたが、2016年には一般家庭やコンビニなどの小規模事業所(50kW以下の低圧)がついに解禁される。その市場は全国8400万件、総電力に占める割合で約4割、7.5兆円になる。

一連の改革で、一般家庭やすべての企業が地域を越えて電力会社や料金メニューを自由に選べるようになる。「しかし、ただ闇雲に参入しても、既存の電力会社や大企業との差別化はできず、競争に敗れてしまうでしょう」と指摘するのは、元内閣府副大臣で現在は政治経済評論家として活躍する谷本龍哉氏だ。

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