被災地「だからこそ」を追求

日本中にさまざまな体験型のツーリズムがあるが、自然エネルギーと最先端農業を組み合わせた体験学習は、「南相馬ソーラー・アグリパーク」だけだろう。旅行プログラムへの採用が相次ぐ、被災地から生まれた新型ツーリズムとは?

太陽光発電の電気で野菜を生産する植物工場

昨年5月、福島県南相馬市の津波被災地に自然エネルギーと最先端農業の一端に触れられる施設「南相馬ソーラー・アグリパーク」がオープンした。2.4ヘクタールの広大な敷地に、2000枚のパネルを並べた太陽光発電所と直径30メートルのエアドーム型植物工場2棟が併設されている。

地元の農業法人が運営する植物工場内はドーナツ型の円形水槽で野菜が水耕栽培されており、電力は隣の発電所から供給されている。成長速度に合わせて内側から外側に押し出していく最新鋭の野菜工場で、野菜の十分な間隔を保ち、間引くことなく常時1万5000株の栽培が可能だ。これを全てスーパーマーケットのヨークベニマルに卸している。

来訪者は太陽光発電施設と植物工場を見学できるほか、自然エネルギーに関するさまざまな体験学習を受けられる。

この「南相馬ソーラー・アグリパーク」は今、エコツーリズムの訪問先として注目され始めている。

キッザニアをはじめ
多くの企業が資金・ノウハウ提供

運営母体である福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会代表を務めるのは、地元出身の半谷栄寿氏。元東京電力執行役員(東日本大震災の前に退任)で、震災時の救援活動を通して同施設の設立を思い立ったという。

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