東北で活躍する「右腕」たち

復興に向けて東北では地域が主体となった様々なアクションが起きている。ただ、中核として動く担い手が不足しているのも事実。そんな現場で活躍しているのが、全国から集まった「右腕」たちだ。

優れた若手人材を発掘
被災地の事業の担い手に

1993年から起業家支援に取り組んでいるNPO法人ETIC.(エティック)は、東日本大震災発生直後の2011年3月14日に「震災復興リーダー支援プロジェクト」をスタートした。

プロジェクト始動のきっかけについて、山内幸治理事は次のように話す。

「避難所で支援活動を行っている中で一つの気づきがありました。避難所では自然とリーダーとなる人が出てくる。しかし、外からの支援も、中からニーズもリーダー1人に集中するのでその人がパンクしてしまう。このリーダーを支える仕組みが必要ではないかと感じてスタートしたのがこのプロジェクトです」。

雄勝sweettrear311で活躍する右腕
(撮影:和田剛)

柱となるのは「右腕派遣プログラム」。有能なリーダーのもとには復興に向けた様々な案件やアイデアが続々と寄せられるが、元々若者が少ない土地であったため、それを下支えする「右腕」となる人材が圧倒的に不足していた。そこで数日のボランティアではなく、3カ月以上の中長期的に活動できる20〜40代の人材を募り、現地リーダーとマッチング。あわせて、右腕となる人材への活動支援金の支給や研修、事後フォローなども行い、地域イノベーターとして育成する。

発足から3年で累計100事業、22市町村へ182人を派遣した。昨年8月現在のデータでは、右腕派遣を終えた119人のうち、55人が東北に残り、「継続雇用・委託契約」「起業」「他の復興現場での転職」などさまざまな形で地域の担い手になっているという。「ものすごく手応えがあります」と山内氏は言う。

東北の人材育成力

「右腕になりたい」と応募する人の動機には、時間軸で変化が起こっている。「初期は『復興のために何かしたい』という思いだけで応募される方が多かった。しかし、3年経った現在は復興をシンボルに掲げて何かを進めていくのは非常に難しい状況になっていることもあり、新たに二つのパターンが増えています」。

一つはUターン。地元のために働きたいと思っている人が、実際にどういう仕事があるのか見当も付かないので応募してくるケースが多い。もう一つは、『バイオマスをやりたい』『農業をやりたい』など、自分のテーマを持っている人たちだ。

「この人達は極論をいえば東北でなくても良いわけですが、今まさに東北に面白いプロジェクトがあるから行ってみようという動機があります。例えば、大船渡で新しく立ち上がった食品加工事業で販売担当の右腕を募集したところ、山口県で営業職だった方が手を挙げてくれました。

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