火星でもフィッシュ&チップスを レゴリスとアクアポニックスで食料生産する最新研究
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年6月11日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

人類は宇宙に魅了されずにはいられない。そしてその興味は火星や月のような別の惑星への移住に向いているようで、実際、NASAは今後数十年のうちに拠点を設置したいと考えているようだ。
しかし、こうしたミッションを成功させるには、宇宙飛行士が自分たちで食料を生産する必要がある。火星に入植するには、地球からの供給に頼らない自給自足の食料生産システムを構築しなければならない。なぜなら、火星は地球から5460万キロメートルも離れており、現在の技術では到達するのに約7か月かかるからだ。
火星で健康に過ごすためには、新鮮な農産物を育てることが不可欠だ。我々の研究チームは、人類を火星に送る計画を視野に入れて調査を行った。火星の大気は二酸化炭素が95%(地球では0.04%)と有毒だが、1日の長さは地球とほぼ同じだ。地球と同じように、火星でも集中的な栽培(施設栽培)には長時間照らし続ける照明を用意せねばならないだろう。水については火星の表面や地下に氷の形で存在する可能性が高い。
我々は、将来火星で食料を生産する方法を模索するため、水耕栽培と養殖を組み合わせたアクアポニックス・システムを試験的に導入した。アクアポニックスとは、魚などの水生動物を養殖する「アクアカルチャー」と、植物を水で育てる「ハイドロポニクス」を組み合わせたシステムである。養殖用水槽の栄養豊富な水を水耕栽培部分に供給し、植物を育てるのだ。
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