Interbeing、カクイチから約5000万円を調達 声の解析で営業・組織の可視化へ
音声解析技術の開発と応用を手がけるInterbeing(京都市)は2026年9月9日、カクイチ(長野市)を引受先とする第三者割当増資により、約5000万円を調達したと発表した。両社は2026年7月に事業連携基本合意書を締結しており、カクイチの営業現場を実装・検証の場として、音響解析技術の社会実装を本格化させる。
Interbeingは2021年に設立された企業で、大成弘子氏が代表取締役を務める。京都市を拠点に、音声解析技術を活用した営業支援・組織支援サービスの開発・提供に取り組んでいる。
同社の技術は、生物音響学の手法を応用し、音声から700以上の音響特徴量を抽出したうえで、感情や意欲、ストレス、セルフコンパッションなど35の心理・感情指標を算出するものだ。「何を話したか」ではなく「どう伝わったか」を捉える設計で、発話内容に依存しないため文字起こしを必要とせず、複数言語への対応も可能としている。
提供するサービスは2つ。営業担当者ごとの声の特徴や伝え方を支援する「Polyphony Sales」と、従業員のコンディションを継続的に把握する「Polyphony HR」で、後者ではバーンアウト指標について心理尺度MBIとの相関を確認したとしている。製造業の若手営業担当者を対象とした実証では、トークスクリプトではなく声の届け方に焦点を当てた指導により、3カ月で成約率が15%から22%に改善した。
引受先のカクイチは1886年創業、創業140年を迎える長野市の企業で、田中離有氏が代表取締役社長を務める(関連記事)。ハウス事業やホース事業、鉄鋼二次建材製品事業のほか、ミネラルウォーターやホテル、太陽光発電など多角的に事業を展開している。田中社長は「営業は個人の勘と経験に依存する仕事とされてきたが、Interbeingはその勘の中身を『声』という測れる形で取り出す」としている。
調達した資金は、マルチテナント型解析基盤の構築、アプリ機能の拡充、精度向上に向けた研究開発、FDE(フォワード・デプロイド・エンジニア)型人材およびエンジニアの採用に充当する。同社は今後、営業領域にとどまらず、会議の空気やチームの関係性といった対話場面全般へと対象を広げ、組織の状態把握に向けた展開を目指す。