アサヒ飲料 「CO₂を食べる自販機」で回収した炭素を建材に、賃貸住宅向けタイル開発
アサヒ飲料(東京都墨田区)は2026年9月7日、大気中の二酸化炭素を吸収する「CO₂を食べる自販機」で回収したCO₂を建材へ転用する取り組みを、アップサイクル内装建材メーカーの日本エムテクス(東京都世田谷区)、収益不動産開発デベロッパーのフェイスネットワーク(東京都渋谷)の2社と共同で始めると発表した。2026年9月15日より、フェイスネットワークが手がける建築現場に同自販機を順次設置し、回収したCO₂を活用した「二酸化タイル」を2027年3月以降、賃貸住宅に導入する。アサヒ飲料が自販機とCO₂吸収材を、日本エムテクスがタイルの製造技術を、フェイスネットワークが設置場所となる物件を、それぞれ担う。
「CO₂を食べる自販機」で回収したCO₂吸収材を活用した「二酸化タイル」
「CO₂を食べる自販機」は、庫内に特殊なCO₂吸収材を搭載しており、飲料を販売しながら大気中のCO₂を吸収する。1台あたりの年間吸収量は、自販機の稼働電力に由来する排出量の最大20%程度で、樹齢56〜60年のスギ約20本分に相当する。2026年7月末時点で全国に9000台以上が設置されている。
この吸収材を原料に製造するのが、今回アサヒ飲料と日本エムテクスが共同開発した「二酸化タイル」だ。吸収材を圧縮・硬化させて成形するため、高温での焼成工程を必要とせず、同程度の厚みの一般的な陶磁器タイルと比べ、製造時のCO₂排出量を大幅に抑えられる。
今回の取り組みでは、建築現場に置かれた自販機がCO₂を吸収し、それを原料としたタイルが完成後の建物に使われる。CO₂の回収から建材としての利用までを一つの流れとして完結させる「資源循活モデル」の構築を目指すもので、回収した吸収材はコンクリートやアスファルトの材料、サンゴの保全やブルーカーボン生態系の再生などへの活用も想定している。
アサヒグループは中長期目標「アサヒカーボンゼロ」を掲げ、2040年のネットゼロ実現を目指しており、今回の取り組みも脱炭素社会に向けた施策の一環となる。