正社員の59.8%が「お金の不安」で生産性低下 calf、実態調査レポート
資産形成とキャリア設計を一体で手がける株式会社calf(東京都渋谷区、代表者・鈴木優平氏)は2026年9月8日、首都圏の正社員500名を対象に実施した実態調査をもとに、調査レポート『正社員の「お金の不安」、数字で見えた経営課題』を無料で公開した。全13ページにわたる同レポートは、金銭的な不安が仕事の集中力やパフォーマンスにどう影響しているかを数値で示すとともに、企業が取り得る対応策までをまとめた内容だ。
記録的な物価上昇が続くなか、従業員が抱える金銭的な不安は家計だけの問題にとどまらず、働き方やキャリアに対する意識にも影響を及ぼし始めている。ただし、その実態が職場でどのように表れているかを裏付けるデータはこれまで少なかった。calfは「人生のCFOを、プロデュースする」という理念を掲げ、資産形成とキャリア、ライフプランを一体で設計するコンサルティング事業を展開しており、今回の調査は金銭的な不安と職場でのパフォーマンスやエンゲージメントの関係を可視化する狙いで実施された。
7割超が「資産目減り」に不安
調査ではまず、預貯金などの現金資産が実質的に目減りしていくことへの不安を尋ねた。「非常に強い不安を感じている」と答えた27.2%と、「ある程度不安を感じている」と答えた44.6%を合わせると71.8%にのぼり、多くの正社員が資産の目減りに不安を抱えていることが明らかになった。回答者の約4割は世帯年収1,000万円以上、7割超が700万円以上と比較的経済的に恵まれた層を含んでおり、その中でも高水準の不安がうかがえる結果となった。
6割が仕事の生産性低下を経験
金銭的な不安が業務に及ぼす影響も浮き彫りになった。お金の不安を理由に勤務時間中の集中力が削がれたり、業務のパフォーマンスが低下したりした経験があると答えた正社員は59.8%にのぼる。
株式会社calfプレスリリースより(画像はクリックすると拡大します)
内訳は「頻繁にある」13.2%、「時々ある」28.0%、「たまにある」18.6%だ。子どもの有無による差も大きく、子どもがいる層は69.3%、いない層は51.7%と17.6ポイントの開きが見られた。こうした影響は離職や欠勤のように目に見える形では表れにくく、日々の集中力低下として静かに蓄積していく点が特徴だという。近年、不満を表に出さないまま従業員のエンゲージメントが静かに低下していく状態は「クワイエット・クラッキング」と呼ばれ、人事領域で注目を集めている。今回の調査結果は、その背景に金銭的な不安が存在する可能性を示すものといえる。
中立な社内研修に6割超が期待
企業への支援策に対する期待も調査から見えてきた。特定商品の勧誘を一切行わない中立的な社内マネー研修について、「歓迎する」と答えた正社員は68.2%にのぼり、60.2%が「会社への愛着や定着意欲が高まる」と回答した。一方で10.2%は「かえって会社への不信感につながる」とも答えており、研修を導入する際には中立性をどう担保するかが設計上の出発点になりそうだ。金融知識に「自信がある」と答えた正社員はわずか13.8%にとどまり、情報量の多さに対して自分なりの判断基準を持てていない層が一定数存在することもうかがえる。
調査概要
調査は、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)在住で、従業員規模100名以上の企業に勤務する23歳から55歳までの正社員500名(男性286名、女性214名)を対象に、2026年8月17日にインターネットリサーチの形式で実施された。首都圏在住の正社員500名を対象とした調査であり、全国の正社員全体を代表する結果ではない。また設問はいずれも回答者本人の主観的な認識に基づくものであり、因果関係を証明するものではない。