インフルエンサーマーケティング成功の秘訣 指標より信頼関係の構築がカギ
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年12月3日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
インフルエンサーマーケティングはブランド戦略における最重要ツールの一つとなった。多くの業界の企業が製品やサービスを宣伝するため、SNS上の著名人を活用するようになっている。
しかし、広く活用され大きな影響力にもかかわらず、インフルエンサーマーケティングは企業・マーケティング担当者にとっても、一般消費者にとっても、不確実性や曖昧さ、論争を伴うものとなっている。
よく次のような疑問が生じる。企業(ブランド・スポンサー)はどのようにしてインフルエンサーキャンペーンの効果を測定すればよいのか。インフルエンサーは企業との提携が自らのフォロワーとの関係に悪影響を与えないようにするにはどうすればよいのか。インフルエンサーキャンペーンにおけるコンテンツ制作の主導権は誰にあるのか。
私たちが「Journal of Marketing」で発表した最近の研究論文では、これらの曖昧さについて議論し、インフルエンサーと企業の双方に関連する2つの重要な課題に焦点を当てた。それは、スポンサードコンテンツの価値をどのように評価するか、そしてそれをどのように共同で制作するかという点である。
本研究では、インフルエンサーやその仲介業者へのインタビューをはじめ、ポッドキャスト、メディア記事、第三者プラットフォームのレビューなど、幅広い情報源から洞察を得た。具体的には、21件の主要インタビューを実施し、補足としてポッドキャストから転記した37件のインタビューも分析に用いた。対象には、ファッション、食品、美容、旅行、ライフスタイル、健康、セクシャリティ分野に特化したインフルエンサーが含まれる。
研究から明らかになった業界の実情
本研究で明らかになった課題は、企業がスポンサードコンテンツの価値を評価することに苦労している点である。また、インフルエンサーキャンペーンによる投資収益率(ROI)の測定方法も大きな課題である。
同様に、多くのインフルエンサーも自らの報酬を決定しそれをクライアントに請求することの難しさを訴えていた。
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