カナダ初の学校給食制度、成功に必要な3つのポイント
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年4月2日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
カナダのジャスティン・トルドー首相は、2024年度の連邦予算において全国的な学校給食制度に5年間で10億ドルを投入することを発表した。この歴史的な動きにより、カナダは「学校給食がないG7で唯一の国」ではなくなる。
政府は、この新しい補助金が各州の既存制度を強化し、40万人以上の学生が恩恵を受けられるようになることを目指している。
これを実現するために連邦政府は子育て支援と同様に、進捗状況を追跡し州政府に責任を負わせるための主要評価基準を盛り込んだ補助内容について、各州と交渉を開始する予定だ。
これらの補助内容は、近日中に公表予定の国家学校給食方針にも反映されるものと思われる。この補助内容の交渉にあたっては、各州は教育・健康・農業・経済発展の各省庁を横断するワーキンググループを立ち上げ、包括的な支援の提供について検討することが望ましい。
カナダ食品研究協会の学校給食ワーキンググループ共同議長兼研究者として、カナダの学校給食制度を成功に導くために次のステップとして必要な3つのことを提案したい。
成功への潜在的な道筋
カナダは学校給食制度の確立については追従する立場であるため、他国の失敗から学べる、という貴重な機会がある。
最初の優先事項は、子どもとその家族を長期間にわたって追跡調査し、学校給食プログラムが健康、教育、経済面でどのような利益をもたらすかを評価し、プログラムの実施状況を分析することである。
そしてこの研究では、無料の学校給食制度と「払える分だけ払う」モデルの比較も実施したほうがよいだろう。
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