小さな水生植物「ウキクサ」由来の豊富なタンパク質が、食品の未来を変える

(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年7月17日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

水草を食べるというアイデアは、初めて聞くと食欲をそそるものではないかもしれない。

しかし東南アジアの一部地域では、「ダックウィード(Duckweed)」と呼ばれる小さなウキクサを家畜や人々が食べてきた長い歴史がある。

食品科学の研究者として、私たちは、このあまり知られていない高タンパク質植物の魅力的な世界に注目することを提案したい。そして、私たちはこの植物に私たちの食生活を変えるポテンシャルがあると信じている。

小さな植物に食糧問題を解決する大きな可能性が

ウキクサは、世界中の淡水の表面に生息する水生植物である。

ウキクサ亜科にはいくつかの種類があり、主に葉の大きさで区別される。この植物は驚くほど単純で、水面に浮かぶ小さな葉と、地面に固定されていない、小さな根から構成されている。

一見するとウキクサは無害でありふれた、誰も興味も抱かないような水草に見えるかもしれない。

しかしその控えめな外見の下には、この植物が真のタンパク質工場になる可能性を秘めている。

実際、最適な条件で栽培されると、ウキクサは最大で45%のタンパク質を含むことができ、この非常に重要な栄養素の優れた供給源となる。

研究によれば、1ヘクタールのウキクサは年間に10~18トンのタンパク質を生産することができるという。これに対し、世界で最も広く栽培されているマメ科植物である大豆からは、わずか0.6~1.2トンしか生産されない。

さらに、ウキクサは非常に速く増殖する。実際、池の中のウキクサは48時間以内には倍に増える

このオリンピック級の成長速度は、重要な疑問を提起する……ウキクサのタンパク質は、どうすれば人間の食料として活用することができるだろうか?

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