わずか2週間で炎症抑制したアフリカ伝統食 望まれる地域特性に応じた食事指針
※本記事は『SciDevNet』に2025年4月15日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています

野菜、食物繊維、発酵食品を豊富に含むアフリカの伝統的な食事は、わずか2週間で体内の炎症を抑え、慢性疾患から身体を守る効果がある一方で、西洋式の食事はこれらの症状を悪化させると、研究者らは指摘している。
オランダのラドバウド大学医療センターとタンザニアのKCMC大学の科学者たちが行った研究では、短期間でも西洋式の食事に切り替えると、炎症が起こり、感染症に対する免疫反応が低下し、生活習慣病に関連するプロセスが活性化することが明らかになった。
ラドバウド大学医療センターの感染症専門医で、この分析の筆頭共同著者であるクイリン・デ・マスト氏は、サブサハラ・アフリカ地域では心疾患やがんといった非感染性疾患(NCDs)が急増していると語る。
「私たちの研究はまた、単に先進国のガイドラインをそのまま適用するのではなく、地域特性に応じた食事指針を策定する重要性を強調しています」
クイリン・デ・マスト(ラドバウド大学医療センター 感染症専門医)
「食事やこの地域における進行中の食生活の変化が、免疫系や代謝系に重要な影響を与えるかどうかを検証したかったのです」と同氏はSciDev.Netに語った。
「食事が免疫の多様性に関連する、最も強い要因の1つであることがわかりました」
世界保健機関(WHO)によると、アフリカではNCDs関連死のうち、心血管疾患が死亡要因として最も多く(37%)、これは全死因の約13%に相当する。
アフリカのがん発症数は世界全体の5.7%だが、死亡率が7%超と高く、今後20年でがんによる死亡率は、世界平均を30%上回るとWHOは予測している。
アフリカ食事に関する研究には、タンザニアの都市部や農村部に住む77人の健康な男性が参加した。
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