鳥獣との闘いを超えて過疎・人口減に挑む 鳥獣被害対策で専門家が視座転換提起
深刻化する鳥獣被害対策。その問題解決には視座の転換と枠組みの拡大が迫られているのではないか。2月12日、東京都内で開かれた第13回全国鳥獣被害対策サミットで、専門家、自治体担当者らが経験を踏まえて問題提起した。
獣害対策は目的ではなく手段
野生鳥獣による農作物被害は2021年頃まで漸減していたが、その後増加に転じ、2024年は188億円にのぼった。シカ79億円とイノシシ45億円で、被害額の3分の2を占める(グラフ参照)。鳥獣被害が離農の引き金になるケースもあるが、離農すれば「農作物被害」ではなくなる。数字に表れている以上に被害は深く、しかも2025年はクマによる死者が過去最多を更新した。
こうした状況の中、「従来の枠組みを超えた対策」を考えようと、鳥獣被害対策サミットは初めて、東京、大阪の2会場開催となった。東京会場での鳥獣被害対策の事例講演、パネルディスカッションを報告する。
特定非営利法人里地里山問題研究所(さともん)代表理事の鈴木克哉さんは、鳥獣害が解決しない原因として、(1)自治体にビジョン、戦略、対応体制が不足している、(2)現状の問題解決のビジョンに限界がある、の2点を挙げた。多課題を抱える地域にとって、獣害対策は目的ではなく手段である。「獣害の激化→将来展望が持てない→担い手不足・交錯放棄地増→獣害の激化」という悪循環をどう好循環に変えていくか。鈴木氏は、外部人材を呼び込んで「獣害を減らし→経済を活性化→後継者・新規就農者増」の好循環を実現していった兵庫県丹波篠山市でのさともんと地域の人々の取り組みを紹介した。
続きは無料会員登録後、ログインしてご覧いただけます。
-
記事本文残り69%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。