高山市、景観にふさわしくない看板の改修・撤去補助を上限130万円に拡充 令和10年度までの時限措置
岐阜県高山市は、地域の特性を活かした良好な景観形成を推進するため「高山市景観計画」の基準を見直し、看板の是正等に関する補助制度を拡充した。
高山市は平成18年12月に同計画を策定し、市民や事業者と協働で景観づくりに取り組んできた。しかし、近年は観光客の増加に伴う店舗の急増などにより、既存の基準内であっても周囲の街並みに調和しない屋外広告物が見受けられるといった課題が浮上している。田中明市長のもと、市は時代に即した、より実効性のあるルールへの見直しを決定した。
今回の基準見直しにおける主な変更点は5点である。まず、城下町景観重点区域では、無秩序な屋外広告物を減らし景観の向上を図るため、屋外広告物にかかる色彩・大きさ・個数・位置等の基準を見直した。次に、城下町および中心商業景観重点区域において、従来はコーポレートカラー(企業や団体を象徴する色)であれば認められていた屋外広告物の地色への原色使用を禁止した。また、道路の中心を境界として片側のみに景観基準が適用されていた区域について、通りとしての景観保全を図るため、境界から30メートルの範囲を「景観重点隣接区域」として新たに設定し、隣接する景観重点区域の基準を適用する。夜間景観については、市全域を対象として新たに基準を設け、建築物の壁面や屋根面等の光線の反射を抑えるとともに、建築物の壁面に設ける照明設備を刺激的・派手な色合いのものとせず、広範囲に発光するものとしないこととした。一方で、農山村景観重点区域に関しては、城下町景観重点区域と同程度としていた色彩基準が厳しすぎるという住民意見等を踏まえ、建築物の色彩基準を緩和し、基準の合理化を図っている。
これら新基準への適合を促進するため、市は看板の改修および撤去に対する補助金を拡充した。これまでも良好な景観の創出を図るため、経費の3分の1以内(限度額18万円)の助成が行われてきたが、今回の基準見直しに伴い、従来の基準では適合していたものの新基準で不適格となる看板や、夜間景観を阻害している照明看板等の是正について、改修は経費の10分の9(上限130万円)、撤去は10分の10(上限130万円)を補助する。この拡充措置は令和10年度までの時限措置として実施される。
対象地域は、城下町景観重点区域、中心商業景観重点区域、景観重点隣接区域の3区分。原色使用の看板や夜間景観を阻害する照明看板等の改修・撤去を検討する事業者は、高山市役所建築住宅課(0577-35-3176)が相談を受け付けている。伝統的な街並みと調和した、より質の高い景観の創出が期待される。