5月以降の食品値上げ動向に関する調査結果 ナフサ供給不安で今夏以降の値上げラッシュ再燃か

株式会社帝国データバンク(以下、TDB)は、2026年5月以降における飲食料品の値上げ動向と展望・見通しに関する調査結果を、4月30日に公表した。同社は1900年創業の信用調査会社で、企業信用調査やデータベース事業を主力としている。今回の調査では、家庭用を中心とした飲食料品の値上げ品目数を主要食品メーカー195社から集計し、値上げの要因や今後の見通しを分析した。2026年5月の値上げ品目は70品目にとどまり、単月で100品目を下回るのは1月以来4カ月ぶりとなった。一方、足元では中東情勢の悪化を背景にナフサ供給不安が高まっており、早ければ今夏以降、値上げラッシュ再燃の可能性があるとしている。

調査は「食品主要195社」価格改定動向調査として実施された。品目数および値上げは各社発表に基づくものとし、年内に複数回値上げを行った品目はそれぞれ別品目としてカウントしている。値上げ率は発表時における最大値を採用し、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含めた。あわせてTDBは4月上旬に、中東情勢による原油価格高騰・供給不安の影響について約1700社を対象とするアンケート調査を実施し、飲食料品・飼料製造57社からの回答を得た。

2026年の年間値上げ品目数は、1~9月までの累計で6290品目となり、前年同時期比6割減のペースで推移している。値上げ率は1回当たり平均15%と前年通年と同水準だが、要因別では「原材料高」が99.6%と集計開始以来最高水準となったほか、「包装・資材」も69.9%に達し、年間ベースでも2023年以降で最高ペースとなっている。

ナフサ供給不安については、TDBのアンケートで原油高がどれほど続けば主力事業の縮小につながるかを尋ねたところ、食品企業の24.6%が「3カ月未満」と回答した。「3カ月以上~6カ月未満」(31.6%)と合わせると、半数超の企業が「持って半年」、つまり10月までを限度と認識していることが明らかになった。中小食品メーカーからは、PP(ポリプロピレン)・PE(ポリエチレン)原料の包材メーカーから猶予期間なしの大幅な値上げ要請が相次いでいるとの声も寄せられている。大手メーカーでも業務用食品で生産停止を余儀なくされるなど、生産活動への影響が出始めている。現状では食品フィルムやラベルインクなど素材・中間材での値上げが中心だが、ナフサの供給不足や価格高止まりが続けば、時間差を伴って包装資材コストが新たな負担要因として顕在化する見通しだ。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が早期に解除された場合でも、石化製品の物流混乱は長期化するとの見方が多い。さらに食用油をはじめとする世界的な食糧需給のひっ迫、原油高に連動した原材料・輸送コストの増加、今夏以降に見込まれる電気・ガス料金の上昇など、複合的なコスト上昇圧力が予想されるとしている。