シャボン玉石けん 無添加石けんの技術で新事業領域を開拓

「健康な体ときれいな水を守る。」を企業理念に、人と環境にやさしい無添加石けんの製造・販売を展開してきたシャボン玉石けん。先代の想いを受け継ぎながらも、産官学連携で新たな事業領域を開拓する同社の取り組みについて、3代目社長の森田隼人氏に聞いた。

森田 隼人
シャボン玉石けん 代表取締役社長

17年間の赤字を乗り越えた
無添加石けんのパイオニア

シャボン玉石けんの歴史は1910年の雑貨商としての創業から始まる。

「当時の若松(現・北九州市)には石炭積出港があり、石炭の流通拠点として発展していました。炭鉱で働く人たちの衣類や身体の汚れを落としたいというニーズに応えるべく、石けん卸、石けん製造へとシフトしました」と代表取締役社長の森田隼人氏は話す。

森田氏の父で2代目社長の光德氏は、電気洗濯機が急速に普及した高度経済成長期に、合成洗剤の販売で業績を拡大させた。しかし、光德氏はその頃から原因不明の湿疹に苦しむようになる。そんな折、得意先の国鉄(現・JR)から「機関車を洗ってもサビが出ない石けんを作ってほしい」という注文が入ったことが転機となった。試行錯誤の末、高純度の無添加粉石けんを開発し、試作品を洗濯や体洗いに使ったところ、長年の湿疹がみるみるうちに治った。さらに、自宅の排水溝にはイトミミズが群がるようになった。

「石けんの排水は短期間のうちに水と二酸化炭素に生分解され、石けんカスは微生物や魚のエサとなり、再び自然に還ります。石けんはそれほど人にも生物にもやさしいのです」

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