人材育成と事業創出を 一体推進する仕組み

人材育成と事業創出を
一体推進する仕組み

事業構想大学院大学は6月8日、「第2回 事業構想プロジェクト研究 事務局交流会」を開催した。企業の人事・人材開発部門の役員・部門長が集い、「人材育成と新規事業創出を接続する仕組み」をテーマに意見交換を行った。

前半は、キヤノン IT ソリューションズのサービスインキュベーションセンター・藤原真一センター長が同社の取り組みを紹介。同社は「共想共創カンパニー2030 未来を見すえる。変化に挑戦する。価値を創出し、社会へとどける。」というビジョンの下、SI受託中心からマーケットイン型サービス提供および未来共創イノベーションのビジネス拡大を推進している。全社横断組織として機能するセンターのミッションの一つは、新規事業創出を担う「サービス創造人材」の育成だ。社内研修における最上位として位置付けられるのが「共想共創塾」(事業構想プロジェクト研究)である。社長自らが塾長を務め、毎年十数名の社員を選抜。約9ヶ月間のプロジェクト研究を通じ、構想力を磨きながら新規事業開発を加速させている。藤原氏は、事前研修・推薦図書、本部長によるアドバイザー制度、異業種でのチーム編成、共想共創塾コミュニティ、社長表彰、専任教授制度の6つの施策に重点を置いてきたと説明。本プロジェクト研究を継続した5年間においては、上長や同僚も巻き込みながら、組織横断的な理解者・応援者が社内で増えたという副次的な成果もあったと報告した。

後半のグループディスカッションでは、参加企業が成功事例と課題を共有。「人材育成としての価値」と「事業化への道筋」が主要な議論テーマとなった。

参加者からは「新規事業や事業転換を担う人材について真摯に考える契機となった」との感想が寄せられた。本交流会は、企業における人材育成戦略と経営戦略の融合を考える場として、今後も継続実施していく。

キヤノン IT ソリューションズのサービスインキュベーションセンター・藤原真一センター長が自社の取り組みを紹介し、グループディスカッションで意見交換を行った。

<研究員の声>
北海道への移住がもたらした
事業構想への挑戦

2025年4月、妻とともにフルリモートワークを活用して東京から北海道北広島市へ移住し、「北海道事業構想イノベーションラボ」に参加しました。地域の後継者不足や人材の一極集中、一次・二次産業の担い手不足という課題に向き合い、若い世代に原体験を提供して人生の選択肢を広げる事業構想の構築を目指しています。

研究会を通じて最も大きな変化は、「分野横断型の協力」の重要性を深く実感したことです。これまでのデータドリブンなアプローチから視点が変わり、地域資源や人脈、個々の経験を活かしながら、「Giver」の精神で小さな提案を重ねることで前進するようになりました。研究会は、エネルギー、不動産、農業、福祉など多様な分野で実績を持つ社会人が集まり、知見を補完し合える環境が最大の魅力でした。教授陣の建設的なフィードバックにより、深い学びと強固なコミュニティの形成が実現できました。

田中 大幸(たなか・ひろゆき)
Birchbit 代表
(北海道事業構想イノベーションラボ 修了生)

事業構想計画書
新しい Edu-sport 体験の創造へ

AI時代に必要な教育コンテンツを国内外の若者に提供し、北海道に新時代のリーダー育成の土壌を創出する事業を構想した。北広島市のアクセスの良さ、街の発展するエネルギー、豊かな自然と、一次・二次産業の人手不足、AI時代に必要な教育体験の不足、若年層の自然・産業体験不足といった社会課題を組み合わせ、「KEE(Kitahiroshima Edu-sport Explorers)」を開発する。

「Edu-sport」は教育とスポーツを融合させた造語で、身体性を伴う活動全般を意味する。デジタルデバイスに依存する若い世代に五感をフルに活用した教育体験を提供し、彼らのデジタル・AIネイティブとしての感覚を地域産業へ還元することを目指す。

ドローン農業アクティビティ、科学的な体力測定を用いたメタ認知ワークショップなど多様なコンテンツを展開。2026年4月に「株式会社Birchbit」として本格始動し、5月からBtoBサービス「ことづくり」研修を、8月からはBtoCサービス「KEE」プログラムを開始予定だ。

「北海道事業構想イノベーションラボ」の修了式

 

プロジェクト研究

プロジェクト研究は、事業構想大学院大学 修士課程のカリキュラムのエッセンスを活かし、研究参加者の新たな事業構想と事業計画構築を行う1年間の研究会です。

担当教授が1年間を通じて、多彩なゲストを招きつつコーディネートとファシリテーションを行い、研究員の知見を高めながら推進していきます。

プロジェクト研究 概要

研究会:定例研究会(1回4時間、隔週24回開催、共同研究会年6回)等

形式:テーマ型/一社型

目的:新規事業、既存事業の再構築、地域活性などの構想・構想計画構築

定員:10〜15名

主担当教員:事業経験豊富な実務家教員

事業構想セミナー・説明会

セミナー、プロジェクト研究の説明会を実施しています。

中期経営計画策定プロジェクト
※説明会・個別相談については、ホームページをご覧ください。

詳細・申込は事業構想大学院大学公式ホームページより