NEXCO東日本 人材育成を強化し地域に新事業をつくる

地域経済を活性化し、社会に貢献する企業として2005年に始動した高速道路会社、NEXCO東日本。未来の事業を支え、地域社会の一翼を担う人材の育成を志向し、仙台に事業構想大学院大学を共同開設した。開校から3年目を迎え、社会課題を解決するための新しい挑戦を、さらに推進しようとしている。

聞き手: 田中里沙 事業構想大学院大学 学長

 

由木 文彦(東日本高速道路〔NEXCO東日本〕
代表取締役社長)

地域貢献から
脱炭素への対応も開始

旧日本道路公団が分割民営化され、2025年で20年になる。2005年10月に誕生した東日本高速道路(NEXCO東日本)、中日本高速道路(NEXCO中日本)、西日本高速道路(NEXCO西日本)はそれぞれの地域で高速道路網の維持やサービス向上に努めてきた。NEXCO東日本社長の由木文彦氏は、民営化による大きな変化として、顧客視点の徹底、効率的な事業運営、情報の透明性の3つがあったと振り返る。現在は、例えばサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)のサービスレベルは公団時代とは比較にならないほど向上した。ETCの利用率は9割を超えるなかで、料金所の無人化を進めるなど、効率的な事業運営も進んでいる。さらに、株式会社として子会社を整理、連結での情報開示を進めたことで、経営に係る情報の透明性も進展した。

由木社長は、組織が変わった点として、「新しい分野にスピード感を持ってチャレンジするようになったこと」を挙げる。その結果、高速道路の利用において利便性の高いクレジットカードを発行するなどの新商品やサービスが生まれた。事前に登録したETCカードで一定の範囲・期間を定額で何度でも乗り降り可能な企画割引商品「ドラ割」の導入は、顧客視点での新サービスとして注目を集める。近年では、社会からの要請に対応し、脱炭素社会の実現に向けた取組にも注力している。仙台市に建設した仙台泉太陽光発電所(メガソーラー)においては1日あたり約360世帯分の電力を発電し、電力会社へ供給される。上信越自動車道富岡ICではバイオマスガス化発電プラントを整備、高速道路のメンテナンスで発生する刈草や樹木の剪定枝、間伐材などを使って発電した電力を高速道路関連施設で利用する事も始まっている。

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