持続可能な社会づくりへの挑戦 余白と循環が地域を拓く
ガバメントクラウド提供事業者に条件付きで認定されたさくらインターネット、全国750自治体と連携し使用済電化製品から有用金属をリサイクルするリネットジャパングループ。異なる領域から地域課題に挑む両社のトップが、持続可能な地域社会の実現に向けた経営哲学と次世代への展望を語り合った。
田中邦裕氏が起業したさくらインターネットは、インターネット黎明期に創業した、国内データセンターからレンタルサーバ、クラウド、AI活用に必要な計算基盤などを提供する老舗企業として知られている。2023年には、日本政府からガバメントクラウドの提供事業者として条件付きで認定された。また黒田武志氏が代表取締役社長を務めるリネットジャパングループは、リユースEコマース事業のネットオフ、都市鉱山リサイクル事業を実施するリネットジャパンリサイクルを傘下に持つ企業だ。両氏が、「デジタルインフラと資源循環が拓く、持続可能な地域社会」をテーマに対談した。
高専で立ち上げたサーバが原点
地域とともに歩む経営の転機
田中(克) さくらインターネットのデジタルインフラは地域に欠かせないものとなっています。まずは田中邦裕社長から、ICTで地域課題を解決する原体験をお聞かせください。
田中(邦) 私は京都にある舞鶴工業高等専門学校在学中に自分でサーバを立ち上げ、東京に出た時にそのサーバにインターネット経由でアクセスできることに感動して起業しました。地方にいても可能性は広がる、という気持ちは当時から強かったですね。
田中邦裕 さくらインターネット
代表取締役社長
さくらインターネットは大阪に本社を置いていますが、10数年前、経営不振で東京移転を検討した時期がありました。しかし大阪市に背中を押してもらい、グランフロント大阪への入居を決めました。ワンフロア850坪を借りたものの、広くて半分しか使えませんでした。でもそこで「余白」の大切さに気づきました。スタートアップのメンターを務めたり、関西経済同友会でベンチャー連携を進めたりする中で、地域に根差し、余白を大切にしながら成長を目指すという方向に考え方を変えました。結果として、会社は当時に比べて大きく成長しました。
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