タイのスタートアップ振興 インパクトのある起業を増やせ

多くの日系メーカーが進出し、日本とも経済的なつながりが強いタイ王国。観光業が盛んで「微笑みの国」のイメージが強いが、人々は起業家精神にあふれている。デジタル化を進め、付加価値創造社会をつくるために、イノベーションに基づく企業のエコシステム構築を推進している。

 

タイには伝統的に強い起業の文化がある。タイ国内および ASEAN 地域の最大手企業の多くはわずか1~2世代前に設立され、短期間で大きく成長した。タイの人々は「自分のビジネスを所有する」という夢を心に刻んでおり、旺盛な起業家精神を持つ。また、困難な社会・経済的状況を乗り越える必要性から、多くの起業家が中小・零細企業を立ち上げている。このため、タイにおけるスタートアップ振興の議論は、より大きく成長できるビジネスの構築を目指す、イノベーション主導の起業家を輩出する方策がテーマになっている。

付加価値を作り出す経済へ
先端分野での起業を促進

革新をもたらす可能性を秘めたスタートアップを生むエコシステムを構築する取り組みは、大企業とタイ政府が主導している。 例えば「タイ 4.0」は、イノベーションとテクノロジーによってタイを高所得国に変革する目的で2016 年に開始された。 これにより、ロボット工学やバイオテクノロジー、デジタルサービス、再生可能エネルギーなど主要分野での数多くの活動、ハッカソン、資金提供プログラムが生まれた。研究開発やイノベーションへの投資を促進する目的で、国内外の企業が減税や補助金を利用できるようになっている。また、スマートビザプログラムは、高度なスキルを持つ知識労働者、投資家、起業家が表1のような産業で働き、投資することを奨励している。

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