タマノイ酢の新事業開発と未来戦略 伝統と革新への挑戦で成長

大阪府堺市に本社を置くタマノイ酢は、豊臣時代からの伝統を受け継ぐ醸造酢メーカーとして伝統を守りつつ、革新への挑戦を続けている。「すしのこ」や「はちみつ黒酢ダイエット」のような、顧客のニーズを体現する革新で事業領域を拡げ、人と人との繋がりを原動力に未来の成長を目指す。

すしのこ、はちみつ黒酢ダイエットはタマノイ酢が開発した画期的なヒット商品だ

世界で初めて酢の粉末化に
成功し、「すしのこ」を発売

タマノイ酢の前身は、1907年(明治40年)にタマノイ酢をはじめとする5つの蔵が集まり、設立された大阪造酢合名会社だ。酢の製法は今から約1600年前、朝鮮半島から和泉の国(現在の堺市辺り)へ伝わったといわれる。1590年頃、豊臣秀吉の時代には、酢の商標として「玉廼井(たまのい)」が用いられるようになった。冷蔵庫のない当時、殺菌作用を持つ酢は食品の保存には欠かせない素材だった。

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