創業107年の老舗が起こすイノベーション 本質を見据え、事業を再編
創業から100年以上、食文化を豊かにする挑戦を続けてきた神戸屋。2022年8月、売上の7割を占める包装パンの製造販売事業を山崎製パンに譲渡する決断を下した。以降、提供価値の最大化への取り組みを強化し、冷凍パン技術の活用や新業態開発などで次の成長を目指す。

桐山 晋(株式会社神戸屋 代表取締役社長)
パン作りとともに
新しい食文化を創造
1918年に大阪で創業した神戸屋は、イースト菌の使用や液体発酵法など、欧米から最先端の製パン技術の導入を図るとともに機械化を積極的に推し進めた。1933年に完成した鉄筋3階建ての工場は当時「東洋一の大工場」とも称された。戦後は高度成長期の波に乗り、事業を拡大。1975年には兵庫県西宮市にベーカリーレストラン1号店「神戸屋レストラン」を開業し、1989年からは駅ナカに直営ベーカリーの「フレッシュベーカリー神戸屋」をオープン。それぞれ店舗網を拡大してきた。
「伝統的な製法を踏襲しつつ、冷凍耐性酵母による冷凍パン生地づくりなど製パンの歴史の中のイノベーションも取り入れてパンを製造しています。また、パンをプロダクトとしてとらえるだけでなく、パンを通じて新たな食シーンを提案し、生活の質を向上させる食文化の創造を目指してきました。このため事業規模に対してブランド認知度が高く、新しいチャレンジが市場に受け入れられやすいことも当社の強みです」と神戸屋代表取締役社長の桐山晋氏は語る。
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