スーパーシティ バルセロナのまちづくりに学ぶ思想と実践

スマートシティとして世界的に知られるスペイン・バルセロナ。街中のセンサーによるデータを都市運営に活用し、省エネや省資源・効率化を実現している。当地での都市計画に携わった経験をもつ東京大学の吉村有司氏は、バルセロナの先進性には技術以前の要素があると指摘する。

吉村 有司(東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授)

データ分析を活用したまちづくり

建築家でありながら、博士号をコンピュータ・サイエンスで取得している吉村氏。建築家としての都市計画の知見とデータサイエンティストとしてのビッグデータを扱う技術を融合し、新たなまちづくりの手法である〈アーバン・サイエンス〉をテーマに、研究を進める。ビッグデータやAIを用いた歩行者分析の分野では世界的な注目を浴びる、「データを用いたまちづくり」の第一人者でもある。

吉村氏は、2005年にバルセロナ都市生態学庁に勤務。以降10年あまり、バルセロナの都市計画に携わってきた。

スペインでは、1970年代にはすでに個人IDカードが整備され、90年代には日本のマイナンバーのような仕組みで医療機関などでの情報共有が実現していた。バルセロナでは、吉村氏が都市生態学庁に勤務していた2005年頃から、地理情報システムの活用やセンサーを用いた実証実験などが活発に行われ、データ分析により市民生活の質を改善していく取り組みが行われていたという。

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