日常の行動を変える 魅力的な脱炭素ライフスタイルのヒント
温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロの達成には、エネルギー供給、製造工程、輸送等の技術システムのイノベーションが不可欠で、これには政府や経済界による大規模な投資が求められる。一方、行政、企業、市民や各種組織など、利用する側(需要側)の変革も重要だ。
気候変動に立ち向かうため
ライフスタイルを変える必要が
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第三作業部会報告「気候変動2022:気候変動の緩和」によると、需要側の変革で分野により40~70%のGHG削減効果が得られる。需要側がGHG削減に担う役割を理解するうえで、カーボンフットプリント(CFP)の考え方が有用だ。CFPの手法は、GHG排出を伴って生産・供給される製品やサービスが「誰のニーズに関係しているか」を特定する。先進国の場合、CFPの60~70%が家計消費に関連する。日本の家庭で消費される製品やサービスに関連して排出されるGHGは、日本に暮らす人ひとりあたり年間7120kgのCO2に相当する。住居、移動、食の消費のニーズを満たすための製品やサービスのCFPがとくに大きい。地球環境戦略研究機関(IGES)は、国内外5カ国の研究機関と協力し、各国や地域でCFPを削減する行動の選択肢と削減効果を分析し、学術論文や冊子等の形で発表してきた。日本国内で有効なCFP削減行動の例を下表に示す。
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